かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~

レビューバージョン PS4 Pro

アトリエのレビューを書くのは、わりと久しぶりのような…。

この作品をどう評価するか、正直わりと複雑です。ゲームとしては確かに中途半端なところもあるけど、経営ゲームとしてはまあまあよく出来たので、確かに良ゲーの部類に入ると思いますが、この作品自体はアトリエの「祭りゲー」ですからね。そういう方面を考えると、正直に言いますと「良ゲー」の評価は撤回しなければなりません。そんな感じです。

まず評価できる部分を語りますと、ずばり経営の部分ですね。最近では頭を酷使するゲームはあまりないから、このゲームで久しぶりに脳みそを絞った。ゲームとしてはシムシティに似ていますけど、ターン制であり、ターンごとに適切な判断が重要視であり、これまでの街づくりゲームとは少し違う。施設は自由に建設できますが、種類は多いとは言えず、たくさん建ても人が居ないと機能しないので、今足りる人手を考えて、誰をどの施設に配属させるか、そして今の素材と収集量を計算し、何を作って何を販売させるか、そういうことをよく考えて決めるゲームです。軌道を乗れるまで毎ターンもこれを考えないといけない。特に中盤からでは提示された課題が難しくなり、適当な経営では間に合わないことがしばしば、限られた人手と材料、どうやって最大限を生かして課題をクリアするのが最初の目標であり、脳みそを使いすぎて久しぶりに頭痛になったけど、まあ、正直この部分は楽しかった。むしろ今のアトリエにない、昔マリーエリーのような厳しさと楽しさを味わえます。調合の部分は他人任せだけど、他の部分は割と似ているよね、時間管理と材料管理。だから昔のアトリエが好きならば、このゲームはわりとアリと思いますよ。特に課題8と課題9はいい加減なことではまず達成できません、ここまで進めると、適切な販売アイテムを量産、どの施設を作るとか、そういう経営の楽しさは適当な作りではないので、ここは評価できます。

また、イベントの多さも評価できます。一応「祭りゲー」を意識した数量と思います、過去作のキャラを久しぶりに聞くと、個人的に感慨深い。特にイリス~マナケミアは、おそらくもう二度と出演させることは難しいから、ここでのクロスオーバーが聞こえるのは、ちょっと涙は出てきました。

ただ、アトリエの「祭りゲー」のことですね。アトリエのキャラの部分は、正直メインキャラだけではなく、サブキャラもいますし、クロスオーバーだからこそ、そのサブキャラと絡むイベントが見たいし。主要キャラ以外のサブキャラはただの顔アイコン程度で終わらせるのは、もったいないしかなりがっかりした。ノルンちゃんがイベント出演は嬉しいけど、ぜひともニケと絡んでほしかった。リリーが成長した先生たちを見るとどう思うか、ヴィオとアイゼルのことも、クロスオーバーと聞くとこういう面も期待したんだから、最低限のイベントすら用意されてないのは「祭りゲー」としてはだめですね。

また、このゲームでは一応申し訳ない程度の探索部分と戦闘部分が用意されますが、まず同行する戦闘キャラは全シリーズでは用意されてない。作品では戦闘の比重が高いなのにイリスやマナケミアのキャラは誰一人も戦闘に参加しないのはどう考えてもおかしい。逆にロロナ以降は主人公全員出てきたので、モデリングの制作間に合わない?面倒だからやらない?とかの現実問題を考えてしまう。「祭りゲー」なのにこういう明確的な待遇の差異があると、どうも不満が出てしまう。

そもそも探索や戦闘自体はスマホのゲームのようで、キャラは自由に動かせることすら出来ない。5人が道で歩く、突然地面でもの拾い上げる、たまに集めてガッツポーズ、ランダム台詞の種類も限定すぎて、どう見ても変ですしシュール過ぎる。こんなの見せられるぐらいなら、いっそ探索の部分は派遣のみでよかった。そもそも街づくりの部分は終盤になると単調になりがちだから、むしろその方面にもっと努力したほうが良かったかもしれない。現状では街づくりとしても、探索や戦闘の部分としても、祭りゲーとしても中途半端。どうも手抜き工事にしか感じられない。二兎を追う者は一兎をも得ず、このゲームが犯した過ちまさにこれ。

そもそも、なぜアトリエの祭りゲーは街づくりなのか。この部分もちょっと変と思いますけど、評価と関係ないのでここでは話しません。

結局、やはり評価しづらいゲームと思います。面白かった部分もあるが、肝心な部分がどうも納得出来ないことも。「祭りゲー」じゃなかったら、いくつの不満は大目に見ることもできますが…。いろいろなところが惜しかったというか、散々待たされた祭りゲーはこういう形で終わってしまうのは悲しいことです。ゲーム性を絞って一方向に特化してほしかったな。

ゲーム内容STANDARD システムSTANDARD グラフィック&演出POOR サウンドGREAT

STANDARD