かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

なぜ香港は失敗したのか

香港はまた死んだ、何度目ですね。例の23条がまともに議論されてなく、法案がそのまま通された。香港の議会が中国共産党の傀儡でしかない今、正直全ては予想できたことだが、ただ香港の堕落を見てなにも出来ない気分は、香港人としては悔しいが、同時に香港の現状が自業自得と嘲笑っている。

ちょっと自分が嫌になっているよね。性格が悪いな自分は。

 

スパイ法案ではあったが、完全に言論の自由の弾圧の法案ですね。スパイよりも政府に憎しみを煽るなどの罪がめちゃ追加されている。例えば政府がそう考えるだけで、「香港政府や中国共産党に憎しみを煽る」本などは所持するだけで罪が問われる。あとで弁解はできるけど逮捕されたから、もちろんどのような本がダメなのか教えるわけもないし、明確なルールもないだろう。たぶん「天安門事件」やこれまで香港のデモの本は香港では完全に絶滅にするだろう。

新たな世代は今の中国人が「天安門事件」を知らないように、「植民地香港」は暗黒時代、デモは反乱とか間違った知識で洗脳されるだろう。なぜなら正しい史実を書いてる本は全部「香港政府や中国共産党に憎しみを煽る」だからですね…

しかも、これはやばい法律の一つに過ぎない。

 

しかし、中国共産党は元々、香港をシンガポールのように育つつもりであった。シンガポールも独裁の国家だが、なぜ失敗したのか…

習近平が馬鹿であることも一つの原因だが、香港人自体も原因かもしれない。香港人は執行能力こそ高いものの、創造あるいは政治能力の欠如が致命的だった。

これも植民地時代で残された名残だが、要は、命令さえあればそのまましっかりと、きちんと完遂する能力が高いです。会社にとっては最高の社員だろう?でも、いざ上に立つと、なにも出来ないです、あるいはアホなことしか出来ないです。

植民地時代はイギリス人というエリートが指導しているから、香港人の執行能力もあって香港は輝いた。返還後、まともなリーダー(イギリス)が居なくなったら、香港はずっと衰退の一途。一時期中国の経済発展のお陰でなんとかなったが、いま中国が衰退すると、それをどうにもできない。なぜなら自分で行動できないやつらからだ。そして習近平などの命令をきちんと執行するしか能がない。中国では厳しい法案があっても、中国人の性格ではある程度柔軟性があり、特に下の方は面倒なことが嫌で、賄賂も効くから、目を瞑るケースも多い。しかし、香港人執行能力が高いこと自体が、逆に命取りとなった。厳しい法案を最大限を利用し、追及する。そして上からの命令を文字通り忠実に守る、働く…

もちろん香港人全員無能とも言えないが、政府トップ、政務官出身はそうやって出世なので、結局トップの連中はそんなものばかり。

ちなみに、4年前のあのデモ、なぜ林病(キャリーラム)が素直に法案を撤回しなかったか。それもかつて、香港政府のトップは大抵エリートしか入れないから、ほとんどの人は自分が「学校では常に第1位だから、お前ら愚民のこと聞くわけない」という心理が働く(負けず嫌いは独裁者になりやすい)。最近、香港高官では有能な人をスカウトする傾向も高いが、成績のみ見て政治能力は基本見てない。そういうエリートも大抵「自分の分野では一番だから政治なんて簡単だろう」と思い込む人が多い、だからアホなことしか出来ない。

 

シンガポールは独立国家だから、たまにアメリカに忖度すればいいが、香港はそれが出来ない。でもそれ以上に、香港人であることこそが、失敗の原因かもしれない。

 

結局、香港の失敗は、必然かもしれない。