かりんちゃんの随心日誌

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香港の年金から

香港ではMPFという年金みたいな制度があります。基本仕事では毎回給料の5%をMPFに投資しなければならない。そしてこの金は、引退するか永久に香港から離れるかしか取り戻せない。

取り戻す条件はかなりシンプルで審査ガバガバ、以前では金が足りない場合では中国などに一旦香港から離れるという理由でMPFの金を引き出す人がたくさんいました。しかし、このことが3年前の民主派デモで激変しました。

3年前の民主派デモ以降、とりわけイギリスがBNO向けに永住ルートを提供し始めると、香港政府は突然BNOはもう承認しないという理由で、外国に移住してもMPFの引き出すのを一切拒絶している。ちなみにイギリスだけではなく、カナダに移住しようとしてもだめになった。やはり香港から逃げ出す人の数がかなり多く、中でもそこそこ金持ちのが多く、MPFはまとめて引き出せたら、香港政府へのダメージはとんでもないからです。

また、有能の人がどんどん香港から逃げ出すと、香港政府に税金を支払う人も少なくなり、噂では財政がすでに厳しい状態のようです。しかも2つの大規模発展計画をやろうとしている(もちろん中抜きです、これは日本だけではなく香港の親中派でもよくやることです、たぶん日本より酷い)。財政が数年後では赤字になる可能性が高いのに、大規模発展計画を必死に乗り出している香港政府、MPFの金で補填しようと考えているようです。その金は自分たちが稼いた退職金なのに…?

 

もちろん、自分も被害者であり、おそらく取り戻すことは叶わないだろう。詳しく計算はしてないが、たぶん5百万円ぐらいはあります。この金を取り出せるなら、日本社会で使えるのにね……

 

とはいえ、一番ヤバいのは、香港政府は契約の重さを無視しているところです。もともと取り出せる条件は永久に香港から離れるだけであって、どのパスポートを使うか関係ないのです。しかし今の香港政府では唐突になにかの新しい理由で契約を勝手に変更するのです、まさに中国共産党のように。このようでは、香港の信用はもう地に落ちたとも同然であろう。まあ、香港政府今はそんなこともう感心してないだろうけど。

 

聞けば、イギリス政府はこのことにめちゃ怒っているようです。ただ中国共産党や香港政府もここで折れるとは思えない。結局MPFまで国家安全維持法にコントロールされるのも時間の問題だろう。滑稽ではないだろうか。