かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

Ghostwire: Tokyo

プレイ環境 PS5

かの三上真司氏の新しい怪作。

怪作とはいえ、システム自体実は驚くことはあまりないという。メインミッションを追ってシステムを開放し、サブクエストや収集物を集めて主人公の能力を強化する、ごく普通のオープンワールドゲームではある。新しいというと、どっちかという日本の怪談をメインとした世界観が「新しい」。現代日本の舞台で、魑魅魍魎が跋扈する雰囲気は、おそらくいままでのゲームにはないかもしれない。外人が求めた「日本」と実際の「日本」をいい味で融合したのが最大の魅力であろう。

ゲーム自体は怪談ゲームなんですが、ホラーというほどレベルではありません。確かにグッとくる、定番なシチュエーションは用意されてますが、ゲーム全体は怖さではなく不気味さが重視されています。なので、ホラーゲームとしてみるとこのゲームはかなり物足りないかもしれない。ただ、敵の出方ともいい演出ともいい、このゲームの雰囲気は割としっかりとしていて、別の意味でゾクッとする。

ただし、演出面を除くと、このゲーム自体はかなり単調であることは否めない。敵の種類もそんなに多くなく、『Control』と比べると派手さもいささか物足りない。様々な妖怪は出てきますが、サブクエストの話はあっさりしていて、印象的ではないことはちょっと残念である。そこをもうちょっと力を入れたら、たぶん印象が変わるだろう。

ストーリーもそう、暁人とKKの信頼関係の描写はそれなり良くできているが、それ以外の話はかなり淡白。とくに暁人は妹のために冒険をしているけど、その妹の話は最終盤でないとあまり描かれてないので、感情移入しにくい。KK周りとの人も割と唐突に出てきてあっさりに退場するのであまり感動しなかった。そもそも舞台全体のNPCはほぼいないと同然だから、ゲーム全体はかなり寂しくてつまらない。そこは割と残念であった。

とくにクリア後でほとんどのサブクエストを終わらせると、この渋谷の虚無感はより一層強くなる。そこはもうちょっと頑張ってほしかった。

このゲームはおすすめかどうかは、正直微妙ではあるが、戦闘の操作はおおむね良好、雰囲気ゲームとしてもそれなり出来ているので、そこに価値があるかどうか次第です。もっとも、日本を舞台にしたオープンワールドゲームはなかなか珍しく、そこはある意味貴重かもしれない。ゲーム自体は普通かもしれないが、雰囲気だけは評価できよう。

あと、犬が好きであれば、このゲームはたまらないである。

ゲーム内容STANDARD システムSTANDARD グラフィック&演出GREAT サウンドSTANDARD

STANDARD