かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

テイルズ オブ アライズ

レビューバージョン PS5

ある意味PS5での最初のRPGでもあるが、「新生」テイルズはサプライズこそないものの、ストーリー、戦闘そしてシステムともに安定してて、無難な作品として仕上げられた。過去のシリーズと比べても、特に褒めることはあまりないが、今回のテイルズはものすごく王道なので、あるいみみなさんが求めたテイルズに違いません。

テイルズといえば戦闘だが、今回では通常攻撃よりも、仲間を意識したブーストアタックやブーストストライクの活躍が非常的に多い。特にブーストストライクを発動すると雑魚はまずターゲットをとどめを刺す、ボスだと大ダメージを与えるので、伝統的な秘奥義よりも強力になってる。ブーストストライクではコンボをうまく繋げないと発動しにくいため、戦闘全体はコンボ重視の印象でした。特に序盤から中盤ではブーストストライクを使わないと倒しにくい、HPがめちゃ高い雑魚が用意されてる。こういう敵はおそらくブーストストライクで倒せという話だろう。しかし、終盤ならともかく、まだシステムを慣れてない序盤でこういう敵が配置されると、多くのユーザーが困惑してしまうではないかと私は思います。

戦闘の爽快感を出せるかどうかも結局それができるかどうか次第となる、なにせ一般攻撃ではあまり効かないからです。今回の戦闘ではこういった特殊攻撃に比重が置かれるゆえ、うまくコンボを繋げない場合ではかなり痛い目にあう。難易度が高いと言われた理由はおそらくこれが理由かもしれない。特殊攻撃をうまく発動できないと、敵が固くて戦闘がどうしても長引いてしまう。特に今回では敵の攻撃がそれなり高いと設定され、回復の仕様もガラッと変わってしまったので、慣れないうちに雑魚戦が消耗戦になりやすく、システムの爽快感を覚える前にストレスが溜まってしまう。

また、ボス系や終盤で出てくる大型雑魚ではブーストストライクを強要する場面が多いので、そういうのは鬱陶しいことも。演出上ではかっこいいかもしれないが、テンポではあまり良くないとも言える。

とはいえ、救済措置がそれなり多いので、結局少し変わった風の戦闘だが、慣れてしまえばそこそこ派手な爽快なバトルを繰り広げるので個人的に問題はなかった。特に仲間が増えるとコンボが繋がりやすいので、序盤が関門となっている。

ただ、仲間AIの作戦がキャラごと設定できないのは些か不満であった。直前(2、3年前のことだが)では『テイルズオブヴェスペリア』をクリアしたので、そっちではキャラごとの行動を設定できて、戦いやすいのは間違いない。例えば、今回の回復担当はシオンだが、作戦を回復重視に切り替わっても、仲間が瀕死状態でもシオンが敵を固執に撃ち続ける印象である。CPは満タン、アイテムもそれなり数が用意された。ただシオンは作戦通りに回復優先で行動しなかった。結局シオンを操作する羽目になった。

また、序盤の話ですが、戦闘中に作戦を切り替えても仲間が全然動かないバグに遭遇してしまった。このような問題はボス戦などでは致命的なので、なぜ前作では出来て今回ではできないか、という不満があった。

ストーリーに関しては、良くも悪くも王道なので、褒めるものはないが、特に批判するものなく、所謂シンプル・イズ・ベストに徹したイメージです。シンプルだがキャラクターの描写はそれなり頑張った。中でも進化したスキットは漫画のような展開され、非常的に読みやすく感情移入できるものであって、個人的にはここがよかった。過去作ではいつまでも進化してない古臭いスキットが、やっと自分の成長した姿を見つけてしまった。

ただ、逆に仲間以外のキャラクターの描写、あるいは敵側キャラクターの描写があまり無く、どれも使い捨てのキャラクターみたいなので、なんというか、テイルズオブシリーズっぽくないですね。王道とはいえ、仲間以外のキャラクターにも力を注ぐべきと私は思う。少なくともボスがどれもただのやられキャラとして作られたのはどうかと思うな。特に過去作ではボスがどれも極悪非道と描かれことは少なく、必ずなにかの理由で主人公と対立関係になったのが多いので、悪い意味でここはテイルズオブシリーズらしくない。

また、終盤の展開はわりと急なので、もっと丁寧に書くべきだった。長い冒険してて突然後期オープニングが流れて、「ここから本番か?」とワクワクしてたが、そこからの話は短く、ひたすら説明を聞くだけの話なので、些か物足りない話ではあった。レナがああいう状態だから冒険できないのは仕方ないが、それ以外の話はもうちょっと補完できるではないか、本筋の話はただ説明を一気に聞くだけではなく、もうちょっと工夫してほしかった。

そもそも、後半の話は前半と変わりすぎて、前半ではそういう伏線もあまり無く、内容的には結構強引な展開というイメージです。あそこまで必死に戦ったスルドブリガが、ただの芝居に過ぎないとは説明不足というか、レナ人の知能もどうかと思いますね。本当に三百年の間、誰もこの一連のことに疑問点を持ってなかったのか。ゲーム内ではレナ側の事情は最終盤まで詳しく説明されてないので、やはりどこか腑に落ちない。RPGの世界観に突っ込むべきではないと言われるが、前半の出来事が一体何だったのかという話になりますね…。

今回逆に驚いたのはグラフィックという。いいえ、PS5レベルに達したというレベルではありませんので期待しないように。ただ、構造、特にビルや背景の作り込みはかなり頑張っている。中でもメナンシアやペレギオンの構造物は過去作にないほど立派である。正直ここは別に期待してなかったので少し驚いた、ちゃんと中世の城やファンタジー城のいかめしさを再現できて、これはこれでいいと思います。やはりRPGでは雰囲気が大事なので、グラフィックが良ければ臨場感を味わえて、面白さに繋がるであろう。

所謂王道復古という位置に付ける作品ではある。不満点がちらほら述べましたが、全体的にそこまで悪くなかったので、個人的に満足でした。ただ、過去作と比べるとやはりやり込みが少々物足りないのは事実でもある(プラチナトロフィーがあんなに簡単に取れるとは思いもしませんでした)。ただ、DLCの宣伝はいいが、ゲーム中にまででしゃばるのはやめてほしいね。ゲームグラフィックが頑張っているだけに、こういうとこ雰囲気をぶっ壊すのはどうかと思いますね。

ゲーム内容STANDARD システムGREAT グラフィック&演出STANDARD サウンドSTANDARD

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