かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

戦争まで。

香港人である僕にとって、日本人ほど面白い民族はこの世にほかない。

なぜかというと、歴史を振り返り、これまで読んだ本を振り返り、日本の「光」と「闇」は、とりわけ日本人の思考と行動パターンは、どうも新鮮で衝撃的で、外人である僕にはどうも理解しがたいことである。

ゆえに、「日本人」とはなにか、という疑問に、ずっと追い求めた。

 

とくに、第二次世界大戦という「闇」、日本の為政者、関東軍、彼らは結局なにを考えていたか、どうしてそういう行動を取ったか。中学生の頃では半分洗脳気味の香港の歴史教科書に、「日本の軍国主義者は悪魔」だとうかずっと言われてきたが、ならば彼らは今の日本人との違いは一体なにか、果たして欲望だけで侵略戦争にするか、後ろの理由はなにか、中国あるいは香港の本ではまず書かない一面を、次第に興味に湧くようになった。

このコンプレックスはみなさんは理解し難いかもしれないけど。幼い頃で見たアニメはほとんど日本発で、どれも勧善懲悪であった。そして日本人は道徳心が高い、民度が高いとずっと言われてきた。そして実際に日本人と接すると、少なくとも表では(裏では匿名掲示板で散々見たのでわかります)優しかったし、やはり香港人や中国人よりも遥かに立派であった。なのに「第二次世界大戦」の日本人は「侵略者」、「ヒトラーの仲間」。この矛盾は、心の奥底の針みたいなもので、ずっともやもやしていた。

 

2年前で竹田さんの不合格歴史教科書を読んで、このもやもやはある程度解消されましたが、肝心なきっかけや理由は説明されてないので、やはりスッキリしない。でも未消化の本がいっぱい溜まってるので、この時代の本を探る余裕もなかった。

そして先月か先々月で、神保町の本屋さんで香港の本を探す際に、偶然にもこの本が目に入ってた。理由はたぶん、「富野由悠季」の名前。そう、僕は一応御大の信徒なので。ずっと前から気になることでもあるし、ついでに買ってきた。そして最近読み始めると、やっと長年追い求める謎がわかるようになった。

 

なぜ満州国にそこまでこだわるか。ここが最初のポイント。たぶん中国や香港の歴史書ではまず説明しない、あるいは侵略者と断罪し、日本のアレコレを批判するだけ。でもここが重要。すべてのきっかけとも言えるこの九一八が満州からだから、ならばどうして、日本はそこまで満州にこだわるか、それを理解しないと始まらない。

と、日露戦争で、日本人はこの土地をロシアから守ってきた、そして数多の命と金をこの土地に注いた。その言葉だけでなんと腑に落ちる。なるほどなるほど。

 

別に戦争を擁護するつもりはないけど、この論理的かつ現実的な理由が、あるいみ納得した。まあ、そりゃ自分の立場からすると、今までたくさんのことをしたのに、すべての権利を無条件に諦めると言われて、はいそうですかわかりましたと素直に従うわけ無いですよね…。

日露戦争は正直盲点だった。おそらく中学生の時代では日露戦争は中国の視点からするとまったく面白くない出来事なので、どれも重視してないし簡単にこんな戦争があったとしか説明してない。でも、そうですね、中国側ではなく日本側にとってはこれは重大なことですね。ここに着目しないとどうも本質がわからない。

 

でも「日本人」の本質はたぶん、日本の歴史を全部を見ないと把握できそうにない、「日本人」とはなにかという謎解きは継続(たぶん死ぬまで追い求める予感)。いつかは関東軍や東條英機の本も読みたい。漢奸と言われるかもしれないけど、真実を求めるなら、感情論はいらないので別にいいや。そもそも中国共産党に異義を唱える時点で、僕はとっくにもう「漢奸」という名を背負ってる。