かりんちゃんの随心日誌

随筆、旅の話、ゲームの話、香港の話、言いたい放題

大晦日

はやくも1年が終わった。来年がついに40歳という関門を迎えると考えると、どうも胸中がもやもやする。顔つきは未だに30歳ぐらいとよくいわれているが、自分の体だからよく分かる、20、30代の頃と比べると、確実にすこしずつ衰えた。

来日にしてはやくも3年が過ぎた、日本で大晦日を迎えるのは、今日で4回目。香港という悲しみの地を離れて、自由を得たが、孤独と不安は引き続き苛まれている。とりわけ、今年とある日本で留学の香港人がFacebookの発言で逮捕されることを聞くと、香港人であれば誰でも香港に戻ると逮捕される可能性はあると悟り、なおさら不安が増した。

ただ、コロナ禍が去り、家族が今年2回も来日したので、久しぶりにお母さんと弟さんの顔を見ると、すこしながらホッとした。一時とはいえ、やはり無事とわかると安心する。ただ、同時に家族はやはり人の最大の弱点と悟り、親族を利用して本命を脅し取るとかは中国共産党の常套手段です。自分は果たして、この浮世で冷酷な男になれるか…

永住権は8月で提出しましたが、時間がめちゃかかると知り、最近では審査が1年かかることもあるというから、結果はおそらく来年6月からでないとわからないだろう。でも、果たしてこれは自分の終点なんだろうか。帰化は考えましたが、元の国籍を捨てる必要なので、イギリスは手続きすれば問題ないか、無理やり押し付けられた中国国籍は香港に戻らないと手続きできないだそうです。だとするとどうなるか、たとえ逮捕せず無事に香港に戻れたとしても、中国国籍を捨てる手続きをすると、やはり目付けられる、「こいつ逃げるつもりだ」と。この行動が逆に命取りとなるか、そこが問題ですよ。無論、海外に亡命した方みたいに一方的に捨てることは、おそらく可能かもしれないけど(でないと、例えば石平氏はどうやって日本国籍を取得できたんだろ…)、これもまた、目付けられる行為でもある。自分が無事だとしても、親族が狙われる。なので、現状目指すべきは永住権で止まりのほうが現実的かもしれない。

 

さて、2023年。香港は堕落した。中国共産党や香港政府が必死に主張した国家安全法の影響で、香港はかつてないほど凋落し、国際都会の見る影もなくなった。イギリスが残したアジアの奇跡が、習近平というバカ殿によって完全にぶっ壊された。徹底的に。今の香港は夜でフィッシュボールを売るぐらいの情けない街、香港人はみな、逃げた人は逃げ、逃げられない人も香港では消費せず、海外で金を落とすことになり、香港の経済は完全に死んだ。

香港を救う方法は唯一つ、香港を完全に潰すだけだ、中国共産党に香港なんて損しかないと思われるぐらいじゃないと、起死回生はできない。4年前香港デモの民主派の狙いはまさにこれだったが、現在中国共産党や香港政府は皮肉にも実行者となっている。香港の魅力は唯一つ、イギリスの植民地だからです。それを壊すと中国の都市と変わらない、むしろわざわざ香港に頼る必要もない。しかし習近平という独裁者が一番気に入らないことだろうから、香港の運命は、最初から決まっていた。それはいい。香港政府の官員が欧米の教育を受けたエリートにもかかわらず、このシンプルの理論すら理解できない。あるいは、理解するが口にすることができないかもしれない。そして論理的ではない発言を繰り返し、どうも耳が痛い。僕が日本に逃げた理由は、一つはこういう発言にうんざりからです(なんどもテレビや新聞をぶっ壊したいぐらい)。

正直、中国共産党や香港政府がどんどん香港を潰すことを見ると、心の奥底では実は少々、快楽すら覚える。ざまぁみろっていう感情は、たぶんこれです。香港が好きかどうかはともかく、今の香港は完全に「敵」ですから、落ちぶれはむしろ本望。これが、国家安全法と習近平がやらかした「結果」と証明できたんだから。

 

ゲームは、あまりしてない。来年も、おそらくそのままだろう。最近はゲームよりも、本を読むのが日常になった。別にゲームが好きじゃないけど、自分は常に新しいことを求める人なので、定番やテンプレートみたいなゲームはあまり好きじゃない。現にスパイダーマン2は飽きた。ファルコムだってそうだろうといえばそうだが、あれはもはや惰性ですね、最近は難易度を落としてストーリーだけ消化するとも考えた。ただ、相変わらずシミュレーションゲームが好きなのは変わらないので、今年一番遊んだ『信長の野望・新生』と『Cities Skylines 2』であるから、ゲームが飽きたではなく、やりたいゲームがなかなか出会えないということが本当かもしれない。

 

ウクライナとガザ地区の戦乱は続く、世はまさに浮世。『森羅万象が絡み合う浮世の奔流に、絶えずあちらこちらに流される。(中略)その一分ほどの裁量の中で、出来る限りの事をなすだけ。』(極楽征夷大将軍)、たぶん、今年最大の収穫はこの言葉。自分は有名人でもないし有名の知り合いもない、壮大な理想論は無理なので、目の前にできることに一歩一歩、それが僕今のできることです。

 

みなさん、良いお年を。