かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

ナポレオン

見ました。たしかに事前評価はあまりよろしくないが、せっかくの歴史映画なので、やはり自分の目で確かめたい。ということでまたお台場に足を運んだ。

 

3時間(正確では158分だが)の内容だが、感想は一言に言えば、「ただのナポレオンのやったことをそのまま描く内容だった」。

要はこの戦争に参加した、クーデターに参加した、皇帝ナポレオンになった、ロシアの裏切りを受け遠征した、負けて追放された、エルバ島から脱出した、ワーテルローで負けた、死んだ。

 

映画としてはあまりにも淡白すぎるし、そもそもナポレオンがその事件に至る心境変化が乏しいし、こととことのつなぎが薄いというかほぼない、唐突にこの日にこのイベントが起きたという内容。つまり、歴史イベントを並ぶ映画だけの内容。

ナポレオンはたしかに主人公ではあったが、この主人公をよく理解できなかった。なんかナポレオン視点で動いているというより、遠い目でこのナポレオンの出来事を見てるだけという。

 

歴史映画と言っても、やはり主人公らしく観客の感情移入を誘うべきではないだろうか。あるいはせめて、なぜその行動に移すか、ちゃんと観客に伝えるべきと思う。これじゃまるで、ナポレオンの歴史授業の内容ですね。

 

唯一、褒めるとこといえば、ナポレオンは愛妻家であることはちゃんと伝えてきた。もしかしてこれがこの映画が言いたかったのか?とりあえずジョゼフィーヌとの愛情が無駄に時間をかけて描いている。様々な合戦はめちゃ金かかるだろうし、たしかに迫力満点ではあるが、どうもジョゼフィーヌとのセクロスシーンやその痴話喧嘩が一番印象的だった。

 

あるいは時間が足りないかもしれない、たしかにナポレオンの一生を映画に詰め込むには、3時間じゃあまりにも厳しいだろう。だから結局、ナポレオンは英雄か悪魔か、この映画じゃわからない。言えるのは、ただの愛妻家だけ、というか性欲魔。

だって、ナポレオンが英雄らしいことも、悪魔らしいことも、この映画では何も伝えてなかった。ロシアのアレクサンドル1世に対しても、対英の裏切るよりも、ジョゼフィーヌのことだけめちゃ怒っている、という印象。

おそらく「閃光のハサウェイ」と同じ、幸運の女神を手放したら「ただの男」という意味なんだろうけど、それでも事件と事件の繋がりは致命的だった。

 

とりあえず教科書のフランス歴史が退屈であれば、歴史の試験対策として見るのはいいかもしれない(戦闘シーンはまあいいですよ)が、映画としてはまあ駄作ですね…

 

 

ロングバージョンあるらしいがたぶんそれが改善されるかもしれないが、だとしてもこんな不完全な映画版を用意するのもあまりですね…

 

あっ、ちなみにセクロスシーンといっても、寸止めだからそこは期待しないでね…