2ヶ月掛けましたがやっと読了。一気に読むほどの時間もなく、基本は手すきの際に少しずつ消化していくので、一般よりは遅めです。それでも、消化速度は確実に以前よりは早くなっています。
巻4になると、物語は清盛から他のキャラに移っていく、後半はほぼ義経の話ばかりになっている。そして千葉のじいさんなど、鎌倉殿の時代が近付いてきたと実感する名前がどんどん出てきました。
さすがに新・平家物語の義経は鎌倉殿のようなサイコパスではなかった、が、ややフリーダムな性格というとこはわりとそのままです。まあ、物語の中心はこの本からほぼ源氏に移り変わり、平家の話がどんどん減っていく…。
しかし、やはり主人公ではあったか、この本の清盛はほとんどの創作物の清盛ほど悪い性格ではなかった。とくに福原港のためにむしろ一生懸命に大自然と戦い、源氏の子孫を結局見逃したことも、以前で思ったほどワガママな暴君というイメージとはぜんぜん違う。かなりの良識人でも言える。
清盛よりも、彼の親族のほうが、好き勝手やりたい放題で平家=悪ということが定着するように描いている。
まあ、所詮これも創作物だから、史実とも言えないが、平安時代のことをここまで繊細に描いたのは、やはり吉川英治氏がすごい。やはり歴史小説を書くのは難しいよね…