かりんちゃんの随心遊戯日誌

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英雄伝説 黎の軌跡

プレイ環境 PS5

このシリーズは空FC(『空の軌跡FC』)からずっとやってて、気付けばもうすぐ20年という歳月であった。正直、閃の軌跡の完結を際にして見限ろうとは思ったんだが、なんだかって続きが気になるから継続するようになった。たぶん、黎の売上が落ちた理由は、閃の軌跡で見限った方が大勢いるだろう。閃の軌跡をリアルタイムに追った身としては、この気持は理解できます。あれはさすがに酷かった。なので、黎の売上は、新シリーズの魅力がないという単純な問題ではない。閃で見限ったファンへのアピールをどうするべきか、このへんはファルコムの宿題になるだろう。

 

閃では散々批判されたせいか、今回のストーリーはかなり暗いであった。閃までは敵は本気で戦ってない、馴れ合い展開が目立つだが、そういうことを批判する方に限って、今回の暗さにはびっくりするだろう。敵勢力のアルマータは容赦なくモブキャラクターを惨殺することであった。そして、ネタバレにはなるが、村一つを滅ぼすという非道な行為を、劇中で実行するという。空でも言及されたハーメル村のことだが、ゲームではすでに過去の話なので、やはり比べるものではない。そんな敵勢力とのやり取りは後半につれどんどん馴れ合いになっていたことは少々残念ではあったが、メルキオルとジェラールは終始悪役に徹することと、閃の軌跡のような引っ張ることはなくちゃんと今作でアルマータとの話を終わらせることが、最大の評価点であろう。

過去作とあえていうと、『零の軌跡』とは近いイメージ。『閃の軌跡I』や『閃の軌跡III』のような「はっ?」になる終わり方ではなく、『空の軌跡FC』のようなモヤモヤする終わり方でもない。謎は残るけどスッキリにしたエンディング。こればかりはファルコムに評価してあげたい。

ただ、先程も話したように、物語の終盤、特に5章の所謂「ゲーム」とかという”馴れ合い”展開、そして最終章の「魔石」という水増しと言わんばかり展開は、改善する余地がある。また、5章では分岐ルートで様々なゲストキャラと組む展開が用意されたが、そのゲストキャラを掘り下げるエピソードが用意されてないし、そもそも本編で絡むことはほとんどなく、ただいるだけの存在は、わざわざ分岐する必要はないでは、という疑問になる。せっかく色んなキャラと組むというと、ここだけ判明される謎やイベントを一つ二つぐらい用意するのが筋であろう。

また、3章のダンスバトルは正直意味がわからなかった。ファルコムはどうもダンスが好きですね。しかしこっちから見るとあのシーンはギャグにしか見えないし、今振り返るとやはり意図を理解できなかった。あの姉妹は良いキャラクターではあるが、ダンスバトルを用意するならもっと有意義な展開でやって欲しかった。

ちなみに、『閃の軌跡III』から目立つようになった(これもおそらくファンが離れる一因と思います)、いわゆる「軌跡構文」という文章力の問題は、今回はそこまで顕著的ではないもののやはり台詞に点在する。フェリの「息吹」連呼は最早ギャグなんだが、意味のない「あはは」「ハン」「ハッ」はいちいち台詞で反映される必要はなく、「とする」「さすが…すぎんだろ」などの多用は相変わらずであった。ただ、『閃の軌跡III』『閃の軌跡IV』と比べると、今回は相当抑えられている。思えば空の時代、零碧の時代ではまともだったのに、なぜ閃から急激に悪化したんだろうか。空の時代はまだ日本語が半人前の頃だったから、軌跡シリーズはたいへん参考になったことを思うと、ちょっと悲しい気分でもある。

 

システム面では、新エンジンに切り替えたことに伴い、かなりの変更が施された。特に戦闘システムとオーブメントは、もはや違うものになってるだろう、とは思ったが、最初は違和感を覚えるが、実は今までのシステムのアレンジであることを中盤あたりで実感。アクションが追加されたというものの、同メーカーの「イースシリーズ」と比べると戯れ同然、一部のゲストキャラクターのフィールドアクションではバランスブレイカーになるが、大抵はシンプルなもので、敵をスタンさせる、コマンドバトルをより有利にするものだけであった。アクションだけで敵を倒せることは相当なレベル差(一部の敵は最初から可能だが)が必要なので、完全にアクション仕様になったというわけではない。むしろ、戦っても旨味がない雑魚戦や2週目ではサクサク進めるになるので、このフィールドアクションはそういうための存在では、と改めて思う。

コマンドバトルでも、色々と変わったが蓋を開けてみれば実はいつもの軌跡とそんなに変わらない。強いて言えば自由に移動可能になった(以前では移動もアクションだが)。おそらくUIが前作からがらっと変わったせいで別物と勘違いするだけだろう。ただ、UIについては確かに見にくいではあるので、その点には次回作で改善してほしいでもある。とりわけ行動順の表示が非常的にわかりにくいので、以前の仕様に戻すか、順番をもっとわかりやすく表示してほしい。

ちなみに前作にあったリンクや追撃などは、本作では位置によってリンクが自動的に切り替えるから、位置取りが重要になった。そして、とどめを刺すや反撃は一見、無くなったように見えるが、実は別のシステム-シャードスキル-で搭載された、そしてこれが、今回の真髄でもある。

そもそも、前作との最大の変更点はこのシャードスキルを含めてオーブメントの構成ではある。今までの軌跡ではクオーツの構成によって使えるアーツが変化するが、今回ではドライバーという、アーツをまとめるアイテムに変更されたことで、クオーツの構成を考える必要はなくそれなり自由な切り替えが可能になった。その代わりに、クオーツの構成に影響するのが、キャラのパッシブスキルであるシャードスキル。このシャードスキルを理解しない限り、中盤からは苦戦しやすいので、今回の戦闘を楽しめるかどうかはこの一点のみである。追撃、とどめを刺す、様々な補佐も、このシャードスキルによって解禁されるので、中盤以降のクオーツの構成はもはやシャードスキルのためであると思ったほうが良い。この変更は良いか悪いかは評価点ではないが、ただ、そんな重要な変更へのフォローが少ないのは些か不親切でもある。

今回のアクセサリーの能力などを見ると、前作のインフレから抑える意図が伝わるが、いかんせん一部、っていうか某アーツと某シャードスキルのせいで、雑魚戦はもちろんだがボス戦すら呆気なく終わらせるため、戦闘の面白さが全然伝わらない、バランス調整不足とも言える。アーツが強いのはともかく、アーツに追加効果を乗せるのは正直不必要と思います。そのせいでいろんなクラフトスキルが死んでるし、全員同じアーツを撃つゲームだけになる。特に、前作では猛威を振るう回避カウンターだが、今回では回避が大幅に弱化され死にスキルに。そのせいで助けキャラクターなのにフィーがかなり微妙な能力、同じ回避型であるフェリも運用しづらく、ほかの戦い方に変更せざるを得ない。

ちなみにアーツが強いだからか、味方パーティーは8人いるが、明確的にアーツ型なのはアニエスだけです。結局中盤以降アニエスに頼るゲームになったのも否めない。味方キャラクターの能力を見ると、キャラそれぞれに強みを与えるのはわかる(ヴァンはヘイトと変身、アニエスは回復とアーツ、フェリは回避とCP上げ、アーロンは物理、リゼットはバリア、カトルはCP上げと回復、ジュディスは強化消去、ベルガルドは参入が遅い分強い物理)、が、アーツがあまり強すぎるため、回避型が死んだため、一部のキャラクターは使いづらいではあった。フェリは前述の通り別の戦い方に(フェリは某シャードスキルに組みやすいからアーツ型になった)、ジュディスは物理寄りなのにほかの突出している点がないため活躍する場面はなかった。

アーツは即発動ではないから、クラフトより強いのは理解できますが、あまり強すぎると物理とクラフトが微妙な立場になるため、次回作でバランス調整をしっかりにしてほしい。さすがに終盤ではみんな同じアーツを撃つだけのゲームは勘弁していただきたい。

 

グラフィックに関しては、いや、新エンジンというべきか、正直今作では調整不足という印象が強い。技術の進歩によって戦闘がその場でシームレスに展開するのは非常的に良いが、たまに障害物に引っかかって戦いづらい、一回”枷”を破って《外の理》=虚無を味わえることもあった。PS5でプレイしていたが、×ボタンの最適化以外、フレームレートが滑らかとは言えず、解像度がいまいち、フィールドの切り替えのロードがそれなり長いという問題点がかなり目立った。そういう点もあって、PS5版はやはり欲しい気持ちがあります。

ただ、建造物の出入りはシームレスで進行するのはかなり良かったと思います。記憶の中では、シームレスで建造物に入るのはかなり少ない、特に日本のゲームでは直近では「龍が如く」シリーズだけであった。軌跡ではクエストや店の買い物の影響で建造物の出入りが頻繁なだけに、ロードがないのは本当にありがたい。こればかりは新エンジンの進化点であり、今回特に称賛すべきものであった。

ただ、新エンジンのせいでもあるが、軌跡いつもの釣りや本集めが逆に無くなったのは多少残念な気持ちではある。今回はミニゲームがなくても80時間以上のボリュームはかなり良かったし、RPGのミニゲーム自体も好きとは言えないけど、釣りがないのはやはり違和感を覚えるね…。

 

空では「銀の意思」、零碧では「Inevitable Struggle」、閃では「Blue Destination」、数々の名曲を生み出したシリーズではあったが、今回耳に残る、「これだ!」と言えるBGMは正直少ない。敢えていうと、オープニングとそのアレンジも良かったのだが、過去作の名曲と比べると、インパクトがイマイチ足りないのも否めない。ここはかなり残念でもある。新シリーズならばの代表は、続編に預けることになった。ただ、BGMをそっちのけで一番批判したいのはボイスである。

創でも多少はあったがそこまで酷くない、今回では予算のせいか、重要なイベントにもかかわらず、一部のキャラクターだけボイス有りで喋っている、そういう場面が非常的に多い。JRPGではパートボイスは珍しくないが、同じシーンでパートボイスは正直ファルコムが第一人者であろう。全編に渡って主人公やアニエスだけ無音なのは特に多かった。主役なのに逆に無音なのはどう考えてもおかしいし、違和感有りまくる。正直予算が足りないならば完全にボイスなしにするべきと思う、特定なキャラだけボイスつけては没入感がないし、かえて悪印象になる。直前では『テイルズオブアライズ』という全編フルボイスのゲームをクリアしたことがあって、ここは特に違和感を覚えた。次回作は本当に、どこにボイスつけるべきか真剣に考えてほしい。RPGではとくに、ボイス次第では物語への没入感にも影響するから。

 

さて、長文になったが、結局の所今回はどうなのかと言うと、閃でシリーズと決別となった方ならば、今回は逆におすすめと思う。全編にわたって、閃で不評だったものがそれなり改善されたし、ストーリーもある程度進めた。もちろん新シリーズの1作目だから、今回は共和国編プロローグみたいなものなんですけど、それでもアルマータとの因縁はきっちりと終わらせた。逆に閃(のようなラノベ風)が好きならば、今回は逆に向いてないかもしれない。あえていうと、『零の軌跡』のようなものかもしれない、今回は。新規ユーザーに関しては、正直今までの新シリーズの第1作、零や閃Iと比べると過去作のキャラや関連ものが非常的に多いので、今回で新規参入は非常的に不向きです(というけど、閃との繋がりが少なく、逆に零碧と創のほうが多いかも)。

ゲームに関してはバランス調整は多少不足ではあるが、やはり安定したクォリティ、ボリューム満点のRPGを楽しめるのが大きい。上では様々な点を書きましたが、主人公ヴァンがちゃんと主人公らしい行動をしていて、アニエスが文句なしヒロイン役を貫いた点も評価したい。そういう面を考えると、今回の評価は、零碧空以下創閃以上ではある。

ゲーム内容GREAT システムSTANDARD グラフィック&演出POOR サウンドGREAT

STANDARD