かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

香港の警察問題

去年からの香港の騒動では、香港警察はいわゆる”重要な悪役”みたいな存在であった。90年代多くの映画では英雄みたいと書かれたこの香港警察は、今では嫌われる存在となってしまった。中でも721事件と831事件、あとは大学への侵攻がきっかけとなる。しかし、かつて英雄と書かれたこの組織は、なぜここまで堕ちたのか。

香港ではいわゆる軍隊みたいなものが存在しません。確かに中国政府の軍隊「解放軍」が留まるが、一般的に手を出すことは出来ないです。そう、一般的に…少なくとも今ではまだこの一線を超えていません。だから実質な武装部隊は警察しかいません。ゆえに、香港政府からしては、この警察はなんとしても味方にする必要です。だから警察が様々な事件での不正・暴行はほとんど不問にした、警察に対する中立的な調査の要求を拒否した、さらに民間からの訴訟に介入し、なんとしても警察のイメージを守ろうとしています。そして警察に反する者は全員、暴動、反政府者などを名付け、全方面に迫害しました。

政府から守られ、なにをやっても責任を負う必要もない。この状態で人間はどうするか、あなただったらどうするか?そう、警察がなぜどんどん過激的なことをするか、これが理由です。当然、市民からしては警察の暴行が相応の罰を受けてないことに不満がたまります。このような状態が去年から続いて、もはや挽回不可能の状態となってしまった。

なら、警察でも全員悪いわけないじゃない?このような状態は良くないと思う”まともな”警察もいるだろ?と、そう考えてもおかしくありません。市民を守りたいから警察になるじゃないか?もちろん、そういう考え方で警察になった人は存在しますが、殆どはそうでもないです。この数年、警察になった人は単純に学業が駄目だけです。そもそも香港では警察になる条件は身体能力だけで(最近ではそのような条件すら無くなったようです)、いわゆる誰でも応募可能です。そして給料は大学新卒以上とも言えます。なので最近では大学に行けない人、試験で落ちた人など、いわゆる「頭があまり良くない人」が警察になったことが多いです。そういうこともあって、まともな思考が出来ないのも当然ですし、過激なことをするのも仕方ないかもしれません。

さらに、これはインタビューで見た情報なのでこっちでは判明しようがないが、警察で出世するには人間関係が極めて重要です。普段、そもそも大事件で出世することはほぼないです、映画じゃありませんから。だからどうすれば出世できるか、それは上司と良好の関係を築くこと。なので、警察の世界では上下関係は絶対的とも言えます。上からの言うことは従うしか有りません。そして警察の上では政府、なので出世するためにも政府の命令は従うしか有りません。

また、香港の不動産は世界一高いとも言われています。だから、普通、不動産を買うことは無理ですが、警察ではある程度出世できたらマンション物件を無料で手に入れます。これが最大の利益とも言われています。住むとこがタダで手に入れるから、この誘惑があって「出世する」しか考えてない警察が多いんです。ゆえに、去年の騒動から警察の挙動があんなに酷かった。

あるいみ、去年からの騒動は制度の問題とも言えます。もちろん多くの理論を述べて、警察は悪くないなど言いたいわけではありません。どんなことであろうと、警察は政権ではなく市民を守ることが「天職」です。しかし、「なぜ」「どうして」をよく理解しないと、それも又いけないと思います。

とりあえず、かつて映画のような「ポリス・ストーリー」は、もはやただの幻想のように消えてしまいました。