かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

Ghost of Tsushima

レビューバージョン PS4 Pro

ずっと日本のオープンワールドゲームがやりたかった。侍になって、和風の世界のあちこちで探検し、町で散策、城に乗り込み、敵を翻弄する。どう考えてもこの手のゲームは金になる素材のはずだが、まともな和風オープンワールドゲームは今まで一個も出てこなかった。

なので、この『Ghost of Tsushima』は特に期待していた。

プラチナトロフィーまで取って、このゲームの感想といえば、和風オープンワールドとしてはある程度は満足したが、サプライズはなかった。まず期待通りといえばグラフィックと演出、時代劇のような演出と雰囲気を本当にそのまま表現され、侍好きならばまずたまらないだろう。特にこのゲームでは落葉などパーティクルエフェクトを多用したので、どこに行っても映画のような絵を体験できるのが最高と思います。和風の世界でのオープンワールドとしては、まずこのへんは合格以上であろう。

しかし、舞台が対馬という制限があって、大きな城下町や城は限られてるのが、そこはかなり残念です。雰囲気は風景はたしかにクォリティは高いものの、似たような場所が多いが問題点であった。和風オープンワールドならば賑やかな京や城下町で散策することは、残念ながらこのゲームでは体験できません。

グラフィック以外で良かった部分というと、やはりキャラクターとストーリーと思います。本来、オープンワールドのストーリーは個人的にあまり期待していませんが、このゲームのキャラクターは結構面白かった。やはりまともじゃないから逆に人間性が出てきて、そこが魅力であろう。とくに、石川先生と政子殿が話題になったほど、キャラクターの作りは良かったと思います。それだけではなく、主人公の描写と他の登場人物との関係、そのへんはそれなり丁寧に書かれたので、雑な部分もあったけど、全体的にから見ると印象的なのでそれはそれでいいと思います。もちろん、ほかのシナリオがいいゲームと比べたら、このゲームの話はまだまだ改善する余地はたくさんありますが、オープンワールドゲームから見るとわりと上位に入ってますね。もっとも、「雰囲気」はただグラフィックが良いだけではないので、『Ghost of Tsushima』は和風、時代劇の表現をうまく再現したと思います。とくに、最終決戦の表現は非常的に素晴らしかった。

戦闘に関しては、侍ではなく忍者のような「冥人」も可能なので、やり方はかなり多彩。様々なスキルをアンロックしていくと、戦い方はただ刀で敵を薙ぎ払うだけではなく、暗殺あるいはいろんな武具を使って敵を翻弄することが結構面白かった。ただ、いかんせんこのゲームのAIはそれほど良くありませんので、ただ馬鹿と遊んでいるような気分がちょっと緊張感が足りないかもしれません。よく考えると、鎌倉時代ではまだ「忍者」みたいなものがないから、「冥人」はいわゆる侍と忍者の合体みたいなものですね。

和風のオープンワールドゲームとしては確かに満足するものの、やはりオープンワールドの問題点はそのままでした。中盤になるとクエストや寄り道はあまり変わらないので、似たような作業を繰り返すゆえにそこからは飽きやすい。いわゆる、「オープンワールド」を超えてなかったというゲームでもあり、今の時代ではいまいち足りないかもしれない。せめて中盤からでは寄り道やミッションに変化があったら良いが、あまり変わらないのがちょっと残念かもしれません。実際、中盤からモチベーションを支えたのがストーリーとキャラクターだけであったので、これはちょっと惜しいかもしれないね。

もし数年前が出たら間違いなくGOTYと評価されたかもしれない、という惜しい作品と私は思います。ただ、そもそも和風のオープンワールドは本当にこの作品しか無いので、こういうことを考えるとこのゲームの存在は本当に素晴らしいと思います。何より、オープンワールドのよくある欠点以外、このゲームに死角はありませんから。とくにローディングはびっくりするほど早かった、すごく快適です。

このようなゲームは、日本の会社が作るべきだったな…、とは唯一の遺憾であった。

ゲーム内容EXCELLENT システムEXCELLENT グラフィック&演出PERFECT サウンドEXCELLENT

EXCELLENT