かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

アッシュと魔法の筆

レビューバージョン PS4 Pro

このゲームは一言に言うと壁で描きをするゲーム。それ以上でも、それ以下でもない。だからこのゲームはおすすめかどうかは、まず「壁で描き」に魅力があるかどうか、ということです。

もちろんゲームの内容では描きが全てではないが、メインテーマです。オープンワールド、と言われるとマップは小さいですし、NPCも殆どないので、一応用意されたマップではどこまでも自由自在に走り回るが、あくまで壁で描きをするため、あとは収集要素を探すぐらい。

ゲームのストーリー部分は大まかに前半と後半に分かれる。前半では”いじめっ子”の追跡から逃れ、指定された電灯(の壁)を塗り、イベントを解禁すること。このゲームの骨幹を支えたのは「壁で描き」だが、それはあくまで「かいぶつ」というものを生み出す手段である。ゲームの最大の売りでは「かいぶつ」のパーツは自由に組み合わせる、そして用意されたパーツをただ貼り付けだけではなく、一応塗りによってパーツの形は変えるとのこと。また生成された「かいぶつ」はコミュニケーションと取れる、様々な風景で壁を飾り、「かいぶつ」も風景によって様々な行動をする。要は、壁で”生きている”世界をクリエイトすること。一応提供されたデザインはそれなり多いので、組み合わせの制限もなく、やる気さえあればかなりきれいな、生き生きしている壁絵ができます。その方面に期待するとこのゲームはアリかもしれません。

前半では少しアスレチック部分やパズルも用意されたが、難しいものは全くなく、あっさりにクリアできちゃうものがほとんどです。

後半の部分ではゲーム性がガラッと変わり、アクションゲームになってます。しかしその内容はとても単純で、しかもボリュームはかなり短い。アクションゲームというよりアクションアドベンチャーに近いもの。また、基本的にボス戦だけなので、成長要素とか楽しい戦闘とかまずありませんのでそこは期待しないでほしい。そもそもすぐ終わるもので、クリア後ではもうそのような「攻撃」「回避」はできない。

正直にいうと、このゲームのストーリーはただの短いアクションアドベンチャーと考えてもいいでしょう。そしてメイン部分はやはり壁で描き、あとは収集要素を集めるだけ。ゆえにゲームだけ考えるとかなりシンプルで単調の内容です。ただ「かいぶつ」の動きは可愛らしく、描きによってかなりすごい風景ができるので、その絵で街を飾り、クリエイトするゲーム…そもそもゲームではなく、「体験」ですね。そして技術デモ。

ゲームをどう評価するか、結局このゲームに何を期待したか次第です。ただのゲームというと間違いなくつまらない内容ですが、描きの自由度や技術や体験では、個人的に悪くないと思います。ただ、この技術は結局視覚の体験に留まり、ゲームを面白くする原素は殆どないのがちょっと残念ですね。戦闘部分は全編の内容を考えると、ただのおまけです。むしろ塗りだけでは面白くないから仕方なく付けた、「蛇足」とも考えるほどのもの。そもそもリトライにイベントスキップすら用意されてない時点で、この部分の完成度はやはり低い。

ただ、価格も価格ですし、むしろ3000円でこのクォリティの体験ができるのは、個人的に素晴らしいと思います。ただおまけと思ったが、VRモードのインパクトは正直想像以上でした。そういうこともあって、暇つぶしや雰囲気ゲームとしては、このゲームは別に悪くないと思います。

ゲーム内容STANDARD システムSTANDARD グラフィック&演出EXCELLENT サウンドSTANDARD

GREAT