レビューバージョン PS5
このゲームをプレイし始めたとき、すぐに「なんか怖い」と感じました。チュートリアル部分で少し探索した途端、あの管理人の口ずさみが聞こえた瞬間、ビルの構造がガラッと変わったと発覚し、このゲームは「ヤバい」やつだなとすぐわかった。
いわゆる設定ゲームとも言えるものだが、たとえ設定を全く理解しなくても、ゲーム全体に広がる不気味な雰囲気は誰でも感じられるだろう、終始にも異様な緊張感が漂う。それにともない常に響く歪んだ「音」と不気味な赤い光、そして静かな場所からどこから唐突に出てくる怪奇な敵。まともに理解できないオーシャンビュー・モーテルという様々なギミック。伝統的なホラーと比べると正直大したことではないが、ずっとこの不気味な空間で探索し、ずっと不安に苛まれ、ある意味普通のホラーゲームよりも苦痛だろう。
しかし、このゲーム何故か評価されるか、何故か面白いか。独創的な世界観と緊張感溢れる雰囲気、そして何より戦闘の派手さと気持ちよさが、このゲームの魅力に一役買っている。
息詰まるゲームだが、その戦闘は意外と爽快だ。銃撃戦では色んなタイプに変形できるサービスウェポンは、状況に応じて様々な戦い方が可能となる。また、投擲、浮遊や洗脳などの超能力も利用でき、一般的なTPSとは一線を画す。特筆すべきはこのゲームの物理演算を駆使した破壊表現は非常的に精細であり、壁や床はもちろんだが、石や木などの小さなオブジェクトにも適用されており、不気味な世界で派手な超能力銃撃アクションを楽しめるのが、最大の魅力的であろう。試して色んな物を投げるとわかる、まるでなんでも破壊可能のような世界だ。まさにこの不気味な嫌な世界を思う存分にぶち壊せ、みたいな一気にストレスを散発することができる。こうやって不気味な苦痛と楽しい戦闘で保たれた「バランス」は、実に見事である。
もちろん、この銃撃戦は決して簡単ではないが、ゲームでは様々な強化手段が用意され、さらに色んなアシスト機能も搭載されたので、誰でも楽しめるのが最大の売りとも言える。
そもそもこの常に構造が変わる、まったくおかしな、超常で物理的ではない世界で物理演算を楽しめるという「矛盾」、他のゲームにはまずできないだろう。
ただ、実はこのゲームの演出は終始もそんなに変わらないため、超常現象のパターンも似たようなものなので、灰皿の迷路だけは印象深いかもしれないが、終盤ではやや飽きるかもしれない。また、戦闘に関しては、派手さは充分だが、投擲があまりにも強すぎるためワンパターンになりがち、振り返って考えると、このゲームは実は驚くほど単純なゲームです。なので、序盤は演出に惹かれて、緊張感はたまらないんですが、進行すればするほど、ジェシーの言葉のように「ハイハイ超常現象」で、段々と感覚が麻痺してしまう。実際パズルもギミックも似たようなものだから、「またこれか」という感想を持つプレイヤーはたぶん私だけではないはず。
音楽ではあまり印象的ではないけど、ヒスの不気味な音は最後までプレイヤーの耳に響くので、サウンドエフェクトに関してはかなり力を入れたということは否めない。実際、ゲーム全体に不気味な雰囲気を醸し出すには、サウンドエフェクトの役割がかなり大きい。なので、このゲームの魅力を感じるには、ヘッドホンでやるほうが一番かもしれません。
PS5版ではパフォーマンスモードでプレイしたが、派手な戦闘でもフレームレートがあまり落ちません。特にこのゲームでは物理演算によるパーティクル・システムはかなりエグいので、ほぼ常時60fpsを維持できるだからこそ、この演算による超能力バトルアクションを最大限楽しめる。グラフィックに関しては、レイトレーシングはグラフィックモードのみ対応なのであまり体験しませんが、正直パフォーマンスでも相当なクォリティなのです。
ロードに関しては前世代バージョンをプレイしたことありませんので比較はできませんが、エリアの切り替えや復活などは10秒ほどで、何の問題もなかった。調べたらPS4版はかなり長いようで、もしPS4版のロード時間のせいでこのゲームを諦めた場合、PS5版はプレイする価値はあると思います。
結局このゲームはおすすめかどうかは、やはりこの不気味さに耐えるかどうかによるでしょう。もちろん戦闘は終盤になるとちょっと単調とも感じるが、この独創な世界観で異様なTPSを楽しめるのがこのゲームの魅力。また、ゲーム内オブジェクトはほぼなんでもリアルに破壊できる物理演算は、正直かなり衝撃的だった。変わったゲームではあるが、個人的にかなり楽しめたからいいと思います。
ゲーム内容GREAT システムGREAT グラフィック＆演出EXCELLENT サウンドEXCELLENT
