レビューバージョン:PS4 Pro
イースシリーズはアクションRPGとしてかなり長い歴史を持ってる。決してすごい有名ではないが、名前ぐらい聞いたことがある、という人は多いだろう。自分は基本的に5と6以外、一応全ナンバリングは遊んだので、ファンとはいえないがイース経験者である。そして、ナンバリング最新作の8ではPS4に登場したきっかけに、この8を遊ぶことになった。
PS4タイトルとしては、グラフィックとモーションはおそらく失笑ものと評価されるだろう。Vita版のリマスター、ということもあって、やはり一、二世代前のゲームと感じる。特に、最初の海に落ちるイベントシーンは、違和感というか、もはやシュールにみえるぐらい酷い。はい、正直に言えばグラフィックとモーションだけ判断するなら、このゲームはゴミ同然です。少なくともPS4でフルプライスとして売るもんじゃない、と言えるだろうか。
しかし、グラフィックとモーションの不満は、ゲームの面白さと快適さとボリュームの前では、早い段階で消えました。
ファルコムのゲームは良くも悪くも安定したクォリティと定評された。このイース8も例外ではない、っていうか、ボリュームはアクションRPGとしてはトップクラス以上だろう。普通にクリアすると40-50時間ぐらいかかるので、隠しダンジョンを含めて、フルプライスとしては申し訳ない内容。さらに、このゲームの面白さはボリュームだけではない。
システムの基本は『イース7』と『イース セルセタの樹海』の進化系で、爽快かつ手応えがあるARPGとなってる。大量の雑魚を一気に蹴散らす爽快感、そしてスキルの成長と進化、またボス戦ではギリギリまで戦えるアクションゲームの楽しさ。何よりも、グラフィックこそあれだものの、フレームレートは60fpsに安定している。特に防衛戦や制圧戦など、大量の雑魚と戦う場面でも、処理落ちはあまり感じないのがとても良かった。イースのアクションに関してはいつも、安心、楽しく遊べるということもあって、特に7以降の作品は出来が非常的に良くて、何度やっても飽きない。
また、ゲームのコンセプトは良い。最初は無人島で探検、地図を埋めて、漂流者を探すサバイバルアドベンチャーだったが、中盤からでは徐々と様々な謎が判明され、そしてそれを解決すべく仲間と一緒に困難に立ち向かう。最初ではこの島なにがあるだろう、どれぐらい大きさなんだろう、とあちこち回して、色んな場所に探検する。そして終盤で島の全体がどんどん埋めていくと、なぜかもやもやしててどんどんテンション下がる…、マップ埋めることが好きならば、この感覚は言わなくてもわかるだろう。このゲームはそういうものです。また、無人島から脱出すると思いきゃ、まさか世界を救う壮大な物語まで発展する、王道だが、最近では逆にこういうゲームが少ないから、冒険心をくすぐる展開もたくさんあって、とてもハマりやすい。まあ、某社がよく自慢した「古き良きRPG」とは、この作品はまさにそういうものではないか?何より、マップ切り替えやファストトラベルなどのロードがほぼ無いと同然で、ストレスがほぼなく、一旦始まっちゃうと、なかなかプレイを中断することが出来ませんほどできが良い。この辺を考えると、グラフィックこそ今世代のクォリティではないが、快適さは抜群で逆にハマりやすい。まあ、ゲームはグラフィックが全てではないのもね。
今のイースは、もはや20年前のような難しいだけのイースではない。そして今作はグラフィックこそ酷いが、それ以外の全ては傑作と呼ぶべき出来と思います。王道、冒険心をくすぐる展開、未知の島で探検、そして様々な謎をどんどん解明する、レベルアップして主人公パーティーをどんどん強化する、まさに古き良きRPG。音楽はいつもハイクオリティで、キャラクターは思ったより描写が良かった。少なくとも最低必要限のことはちゃんと描いてる。何よりヒロイン、最近のイースの現地妻あまり酷すぎるせいか、今回ダーナのヒロインパワーが強すぎて逆にそこが大変満足すると思います。物語、キャラクター、アクション、快適さ、音楽、やりこみ、バランス、全てにおいて高水準であり、グラフィックの酷さを上回る出来ですね。とりあえず純粋にアクションRPGを遊びたいならば、このゲームは間違いなくおすすめ、買うべきと思います。
ナンバリングであるが、イースシリーズは1と2以外すべての作品の物語は独立な話なので(主人公が同じアドルだけ)、興味あれば試してみると良いよ。あっ、ストアのPS4版体験版はこのゲームの楽しさを体験できないのでやらなくていいのです。
ゲーム内容:EXCELLENT システム:EXCELLENT グラフィック&演出:RUBBISH サウンド:GREAT
EXCELLENT