かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団

レビューバージョン PS4 Pro

PS Vita版発売された頃、その評価高さに惹かれて何度も購入を悩んでいた。ゆえにPS4版発表された頃ではめちゃ嬉しかった。確かに、ダンジョンRPGでは携帯機のほうがやりやすいだろうけど、自分の環境では携帯はもはや据え置きとほぼ変わらないから、携帯に拘る必要もない(正確に言えば携帯でゲームする意味が無い)。まあ、そんなことはともかく、PS4版を裏ダンジョンまでクリアした感想では、「流石だ」というべき。

まず評価したいことは独自なシステム。一番衝撃を受けたのは壁は破壊できるということ。ダンジョンゲームにおいて壁はあるいみ最も大事な仕掛けなので、破壊できるという発想は流石になかった。まあ、結局全部破壊できるということもないけど、壁を破壊できるおかげで、探索は便利になったのも確かなのですね。また、シンボルエンカウントということも割と珍しい。あるいみ色々とDRPGのルールを破ったが、それでもDRPGの面白さを失わないのがすごいことですね。

次にバランスの良さ。DRPGと聞くとたいてい初見殺しや理不尽な即死攻撃、とりあえずユーザーには優しくないものばかり浮かぶだろう。雑魚では楽勝なのにボスが異常に強く、「これバランスどうなってんの」とDRPGやると毎回も思うことだが、ルフランは基本抑えめ。初心者にとっても遊びやすく、バランスは結構良かった。まずダンジョンのギミックはそれほど複雑ではない、おそらく一番難しいのも序盤、ズバリまだこのゲームに慣れてない頃だけだった。ボス戦でも裏ダンジョンまでは対策しやすく、基本編成やスキルを活用、レベルアップすればなんとかできるバランスである。また全滅してもペナルティはそれほど酷くないし、全体から見ると本当に遊びやすいゲームであった。

もちろんDRPG経験者からだとつまらないゲームと思うが、ちゃんと難易度変更が用意されたし、縛りなどでゲームを遊びことも可能なので、初心者から経験者までも、遊びやすいDRPGと思います。まあ裏を返せばギミックが少ないから終盤に行ってもやることはあまり変わらないから緊張感があまりないというか、なんか物足りないことも確かなんだけど。まったくつまらないマップデザインというわけでもない。

さすがに裏ダンジョンまで行くと即死攻撃など理不尽なことが増えてきたが、まあそこまで行けたらもうゲームのことかなり慣れてるし、実際理不尽と言ってもほかのDRPGと比べると実はまだまだ、ですね。

そもそもDRPGというジャンルを考えるとこのゲームのパーティーの参戦人数の多さにびっくりした。最大では3×5=15人(人形)が出撃可能(サポートまで考えると40人ほども)。もはやバランスブレイカーじゃん?と思ったらそれほどでもない。結魂書次第で単体でも強い。行動はカヴン中心なので指示も快適(戦闘の速度はもうちょっと早くになったらもっといいけどね)、そこそこ手応えもあるからこのバランスの上手さは本当に素晴らしいと思いますね。

ただ、出撃可能の数が多いかわりに用意されたキャラクターグラフィックが少ないのは少し残念であった。

このゲームなぜハマりやすいか、理由は間違いなく育成、ハクスラと合成であろう。この辺はディスガイアや魔女百の良さから引き継いて、見事にこのゲームで最大限を発揮した。ほかのDRPGでは育成まったくないわけでもないが、どれも制限が多く長くやっても強くなったなとあまり実感できない。しかし、このゲームでは制限がそれほど多くなく、やろうと思えばカンストキャラも作れる。ハクスラや合成もそうです。振り返るとたぶん数十時間以上は育成ばかりをしていたかね。やはり自分のキャラクターがどんどん強くなったを見て、なんだかって達成感がある。こればかりは、ほかのDRPGよりもハマりやすい、なかなかプレイをやめられない、長く遊べる原因の一つだと思います。

ただ、最も評価すべきなのは、おそらくシナリオであろう。ディレクターは『魔女と百騎兵』の世界を作り出した泉氏、ゆえに『魔女と百騎兵』で好評を受けた要素(世界観、雰囲気とシナリオなど)は、この作品でも見られる。最初からすでにたくさんの伏線が隠され、そして進めば進むほど謎が解かれ、伏線がどんどん回収される。作り込んだ世界観とともに印象的なキャラクターとその関係は本当に感動的なもの。なにより世界観自体がゲームシステムと見事に融合すること、こればかりは本当にこのディレクター、素晴らしい仕事をしたと思う。ここまで思うとやはり『魔女と百騎兵2』の最大の敗因は、ディレクターが泉氏ではないことではないか。とりあえずこの独特な世界観・雰囲気で深く描かれたキャラクター関係、DRPGなのについついゲームに没入するほどの魅力。改めてRPGではストーリーが一番大事ということが証明されたな。

DRPGだから、戦闘は基本2Dですからグラフィックの評価などはノンセンスですが、インターフェイスは雰囲気にあってると思う。

間違いなくここ数年遊んだダンジョンゲームの中では完成度が一番高く、一番面白かった。もちろん改善してほしいこともある。例えば味方が多いから敵が全体攻撃を使うとテンポがかなり悪い(ゴールデンフラッシュはおそらく印象深いだろう)、あと裏ダンジョンのバランス。しかし、独特な世界観と雰囲気、そしてシステムだけに、この完成度の高さは本当に素晴らしい。何より遊びやすく、中毒性が高いのも賞賛したい。DRPGというジャンルだから結局人を選ぶだけど、抵抗感がなければ絶対やってみるべき作品ですね。日本一がこれほどの傑作を作り上げたことを、本当に本当に心から感謝したい。

ゲーム内容EXCELLENT システムEXCELLENT グラフィック&演出STANDARD サウンドEXCELLENT

EXCELLENT