秩父に行く前に、この本を読了した。
著者の勇気と行動力には感謝しますし、おかげさまでウイグルの実情を知ることができました。こればかりは自分ではどうにもできない、なのでこの本は読んでよかったと思います。
最後だけだが、著者はどうやら「中立」にこだわる人間なので、ラストは踏み込みが足りないと感じる。中国共産党の言い分はなんであろうと、最も重要なのは、結局これはウイグル人が望んだ行く末なのか、それに尽きる。
本を通じて、自分が見た世界では、多くのウイグル人は本音を言えず、何かを怯えて生活する。いままで普通に生活してたのに、中国共産党の意向だけで未来が奪われた、生活が奪われた。それはウイグル人の意思に関係なく、一方的に罪人扱いされ、人ではないように扱いされ、まるで中世の奴隷のように唐突に収容所に収監され、そこで洗脳教育を受ける。これは到底、いかなる理由であろうと許されない行為ですよ。
テロリストだろうかなんだろうか、漢族や中国共産党がなんでもそんな口実で恣意に人の尊厳と自由を踏み潰す、「治安」「平和」とやら所詮自己中で自分が決めたルールだけで他人、つまりウイグルのあらゆることを否定する。それは本物の「平和」なのか?それを賛同するならば、ヒトラーを否定する資格なんてありませんよね。
歴史はどうであろうと、そこに暮らしているほとんどのウイグル人が突然よそ者に統治され、そのよそ者はウイグル人と文化を尊重しない以上に、洗脳や精神侵略を行う。ジェノサイドは別に命を奪うだけではない、他者の精神や魂を奪うのも、人の殺害と同じ。何もかも息苦しい世界、猜疑心だらけで、人と人の間に信頼関係が消える、やがて心まで閉ざされ、洗脳されて、ただ生き屍のように存在する、それははや人間とは言えないよね。
自分の理屈を語る前に、ウイグル人がどう思うか本当に考えているだろうか?
香港のこともそうです。清の時代はもはや遠い昔のこと、香港がここまで成長を成し遂げたのは、間違いなくイギリス政府や文化、そして香港人一人ひとりの努力による結果です。それを現在、香港をここまで発展した歴史をすべて抹殺し、結果だけ強奪し、我々香港人の努力も尊重せず、次第に自由も価値観も何もかも否定し、上から目線で民主やらを説教する、投票も民主も思想自由もなにもないくせに。この本でウイグルの世界を見ると、無意識に香港の思い出、6年前のことを思い出し、何度も怒りが爆発しました。ウイグル人のあの言いたいことがあっても言えない姿、誰も信用できないという様子、国家安全法という悪法が施行された今の香港でも、同じ模様なんだろうなとなんとなく納得しました。
自分は純粋で真っ直ぐで、どこまでも自由を求めている人間である。自由は肉体だけではなく精神の自由が最も大事とも考えている。ゆえに到底中国共産党とは相容れない。もっとも、中国共産党は権力闘争と粛清の繰り返しの政権、そんな汚い世界に綺麗な人間は勿論一人もいない。尚更あれの主張を賛同するなど、到底無理である。
でなければ、日本に来ることもなかった。
とりあえず、この本で中国共産党はやはり許さないと再認識できた。