かがみの近代美術館
当初の計画では16時半頃に奥津温泉に到着する予定でしたが、一本早いバスに間に合ったため、実際には15時半頃に着きました。そのため、直接宿に向かうのではなく、近くにある「かがみの近代美術館」を訪れることにしました。

美術館は徒歩でも行ける距離ですが、奥津温泉からは坂道を10分ほど登る必要があります。なので、先にバスで美術館まで行き、訪問後奥津温泉まで下るほうが断然楽です。美術館は18時に閉館しますが、16時に訪問しても滞在時間が限られるため、温泉や夕食のことを考えると、もともとの予定には組み込んでいませんでした。

この美術館がどんな場所かというと、古民家風の建物の中に、明治・大正期の無名画家や非業の死を遂げた芸術家の作品が数多く展示されています。一見、温泉むすめとは無縁の空間に思えますが、最近では法被の発売をきっかけにぽかさんの間で話題となり、一躍有名になりました。
館長さんは温泉むすめについてはあまり詳しくないようでしたが、とても気さくで話し好きな方でした。当初は30分ほどの滞在を見込んでいたものの、気がつけば1時間以上も滞在していました。離脱した理由も、別のぽかさんがちょうどこのタイミングに訪問しただけなので、もう少し滞在したかもしれなかった。

自分が外国人であることを伝えると、館長さんはとても興味を持ってくださり、以前に来館したドイツ人や台湾からのお客さんの話など、さまざまなエピソードを語ってくれました。どうやら温泉むすめとのコラボがきっかけで、来訪者との交流が一気に増えたようです。出会いが広がったのは、ぽかさんだけでなく、地元の方々にとっても大きな変化だったのかね。
なお、法被は現在売り切れ中で、8月に再入荷予定とのことです。ただし、法被だけを目的に再訪するのはやや難しいところ…というのも、はんざき祭りの時に湯原へ行く予定はあるものの、奥津は車なしではアクセスが厳しく、「また」タクシーを使う余裕もない。なによりかがみんは推しでもないから、着る機会もあまりないだろうしね。

美術館ではランプシェード作りの体験も可能です。ただし、数時間かかるため、15時からでは間に合わず今回は断念しました。これについては売り切れの心配がなく、次回に回しても問題ありません。事前にプリントを用意すれば「かがみん」以外のデザインも作れるので、次回はぜひ挑戦してみたいかと。

入館料は700円で飲み物付き。温泉むすめセットでは、あの「狼バージョン」の缶バッジ付きで1000円です。さらに缶バッジは2個まで追加購入可能で、館長さんは「制限なくてもいいよ」と話したが、さすがに遠慮しておきました。かがみんのグッズはすぐ売り切れるから自重しました。
温泉むすめにハマった理由のひとつに「地方の方々との交流」がありますが、そういった意味でもこの美術館は本当に素晴らしい場所です。次回も必ず訪れたいと思う。
みやま荘
かがみの近代美術館を後にして、そのまま徒歩で「みやま荘」へ向かいました。旅館の敷地の前では、ちょうど「飛び出しかがみん」が設置されており、建物は2階建ての一戸建て風な民泊施設です。



玄関を入ると、右手には小さなカウンターが設けられており、フロント代わりのようです。その奥にはリビングのような空間が広がり、かがみんグッズが所狭しと飾られています。正面には階段があり、左手にはキッチンや食事処へと続く廊下があります。
その廊下から、優しそうなおばあちゃんが現れました。広島弁の強い訛りが特徴的ですが、プチホテルのタキオンの母も似たような話し方だったので、おそらくこの辺りでは一般的な方言かと思います。そういえば近代美術館の館長さんも同じような口調でした。

宿泊する部屋は2階で、すでにかがみんのレースクイーンパネルや抱き枕、タオルなどが配置され、寝具も整えられていました。おばあちゃんは親切にも交流ノートを持ってきてくださり、周辺の顕現地を紹介してくれました。
みやま荘のグッズは残念ながら売り切れとのこと。おばあちゃんは申し訳なさそうにしていましたが、最近はあまりグッズにこだわらなくなった私にとっては、むしろ気が楽になった気がします。

聞いてみると、当日の宿泊客は自分だけで、次の日(土曜日)は宿泊客が一人もいないというのは少し寂しい話。翌朝の朝食時にはおばあちゃんとたっぷり交流する機会がありましたが、どうやらこの旅館は彼女一人で切り盛りしているようで、宣伝、掃除、料理のすべてを一人で担っているとのこと。むしろ、たくさんの宿泊客が来るとおばあちゃんの体力が持たないかもしれません。
予約や公式サイトの運営についても尋ねてみました。以前は楽天トラベルを利用していたそうですが、システムが複雑になりすぎて対応できなくなり、今ではじゃらんと公式サイトを運営している業者さんに任せているとのこと。それでも、おばあちゃんは自力でパソコンやスマホの操作を学び、今の形に落ち着いたそうです。自慢げにスマートウォッチを見せてくれた姿は、まさに“現代的なおばあちゃん”そのもの。旅館経営を通じて、知らず知らずのうちに多くのスキルを身に付けたようです。
つまり、タキオンさんのようなに一人でこなしている。しかし今度はおばあちゃん、というわけです。
そう聞くと、かえってこちらが恐縮してしまいます。なおさら、グッズのことなどは何も言わないことにしました。
話によると、以前はかがみんの担当者が非常にアクティブだったようですが、最近は異動があったらしく、今はそこまで力が入っていない様子。おばあちゃんは自分のサワチャ巾着を見て、「実はうちでもこれを作りたかったのよ。でも頼んでも、なかなか作ってくれないの」と少し寂しそうに話してくれました。確かにこの巾着は温泉むすめグッズの中でもトップクラスに実用性が高く、私も今のところ湯原でしか見たことがないので、おばあちゃんが欲しがるのも納得です。何より、ぽかさんたちの要望だったとのこと。
それにしても、なぜこのような宿が温泉むすめの基地になったのでしょうか、これも縁があってのこと。もともとは温泉むすめのことをまったく知らなかったおばあちゃんが、ぽかさんたちの訪問を通して知識を深めていったそうです。そして、自然と温泉むすめを歓迎するようになり、今ではその存在に感謝しているとのこと。こうして、温泉むすめのおかげで生き残っているというリアルな物語を目の当たりにし、思わず感動してしまいました。
奥津温泉も、武漢ウイルスの影響で多くの旅館が廃業に追い込まれたそうです。だからこそ、かがみんが注目を集めた理由や、おばあちゃんが温泉むすめに“寄り添う”理由もよく分かる気がします。
湯原も同じような状況なのかもしれません。美作三湯はいずれもアクセスが悪く、温泉むすめがいなければ、タキオンさんもっと悲鳴あげてたと思いますね…。
少し話が逸れましたが、旅館…というよりは民泊施設としては、おばあちゃん一人での運営にもかかわらず、清潔感はしっかり保たれていました。特に驚いたのは、畳から虫が出なかったことです。あつみ温泉や松島では虫の経験があったので、何も出てこなかったのは非常に快適でした。ただし、歯ブラシはあるものの、歯磨き粉とコップが用意されていませんでした。おそらくうっかり忘れたのかもしれませんが、一泊だけだったので特に気にはなりませんでした。
温泉はかけ流し。宿とは別の敷地内の建物に設けられており、外に出て移動する必要があります。外履きのスリッパなどはないため、靴下とスニーカーのまま移動しました。泉質は湯原に近く、pH9のアルカリ性温泉。入浴前にはシャワーで身体を洗い流してから入りました。誰にも邪魔されず、ゆっくり入浴できたのは本当に貴重な時間でした。翌日の湯原では多くのぽかさんで賑わっていたため、ここでの入浴が一番ゆったりできたと思います。

夕食は鍋料理。小食であることを伝え忘れてしまい、ボリュームがとんでもない。限界まで挑みましたが完食できませんでした。翌朝の朝食時には、あらかじめ小食であることを伝えておきました。

そして、1泊を終えて迎えたのは、サワチャの誕生日。当日の朝食会場は夕食とは異なる部屋で、かなり広い空間の奥には、大量の温泉むすめグッズが飾られていました。そう、“祭壇”です。奥津温泉にはこうした祭壇が少なく、おそらく「みやま荘」と、2日目に運良く訪問できた「河鹿園珈琲」さんくらいでしょう。

なぜ夕食はここではなかったか、それはこの部屋は構造上エアコンをそのまま設置できず、改築には莫大な資金が必要で、エアコン無しで鍋は流石に地獄を見るから、とのことです。
朝食をとりながら、おばあちゃんの愚痴…ではなく話し合いました。最後には温泉むすめの缶バッジを奉納してきました。
これでみやま荘の部分は9割仕上げました。
まだ終わってませんね…奥津温泉。湯原の話をする前に、もう一回ありますね。
まあ奥津温泉の他の散策のことだけなので、すぐ終わります。
ゆえにまだまだ続く。