かりんちゃんの随心日誌

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新・平家物語 巻16 読了 全巻読破。

長かった―。

新・平家物語 全巻読破  長かったが面白かった こんな長い小説なかなか無いものーともあれめでたしめでたし

白鳥かりん (@atelierkarin.bsky.social) 2024-11-27T13:24:36.887Z

本当に長かった。

実際読書の時間は計算していませんが、このシリーズの巻1を買ったのは2021年12月1日、まる3年掛かったかな。最初は文体や書き方に慣れなくて、巻1が半年、巻2がほぼ1年ということだが、去年5月から巻3で年末は巻6。今年入ったら巻7から一気に、と今日の今日でついに読破。

我ながら見事の進歩ですし、感無量ですね。

まあ、前半は鎌倉殿の13人以前の話ですから、文体もこれまで読んだものと違い、言葉も結構古く、最初苦労したのは無理もない。あの頃は「え?16巻?何年かかるか」と心配しましたが、去年からどんどん快進撃するのは意外でした。

それも、やはり後半義経の登場から活躍、物語が一気に動いて、1ヶ月で2巻、いや2週間で2巻というべきか、という消化するスピードはとんでもないと思いますね。

会話力を鍛えるべく朗読も試しましたが、長すぎて疲れて口も乾いて無理でした(苦笑)。いつかは挑戦したいね(実は最終回はちゃんと読み上げました)。

 

最後は阿部麻鳥と蓬が吉野山で花見でエンド。二人もオリジナルキャラクター。物語の中心は基本、前半は清盛メインで、後半は義経メインですが、真の主人公はたぶんこの、崇徳上皇の柳ノ水の水守です。保元の乱から頼朝の死まで、様々な乱世を経て、妻と一緒に楽しく花見が出来て、そしてこれまで権力闘争を見返り、様々なヒーローか姫か結局悲運を背負ったが、この二人だけが、幸せに生きていたことは、これもまた一つ、諸行無常ではないかと。

結局義経と敵対した頼朝の心境を描くこともなかった。たぶん頼朝を真面目に描いたのは挙兵辺りまでだと思います。その後は徹頭徹尾「遠い存在」として描かれ、完全に心を読めない、全く冷たい人間と化してしまった。これはちょっと残念と思いますが、権力闘争→悲運というテーマを考えると、これも作者の狙いかもしれない。

ただ、どうも義経が平泉に付いたら、物語の収束モードが顕著となり、ほとんどは状況説明で済ませた。範頼や頼朝の死も歴史の本みたいな解説だけやし、小説としてはいささか物足りない。

 

小説だから歴史と違うけど、やはり義経はどこで間違ったのか、と考えてしまう。この小説だと、義経がここまで転落する理由は、結局頼朝の野望を成就するためだが、ならば最初から義経の運命はきまっていた、というのか…

でもいま自分のことを考えると、人生、結局自分自身が運命を決めることは殆ど無いですよね。たとえ己が正しいことを選択しても、世の流れによって選択が「間違い」と運命づけることもしばしば。

香港に自由民主と願っても、それがいつの間にか罪と言われるようになった。

 

だから義経を見て読んで、改めて自身のことを振り返り、色々と悟ったかもしれない。

 

やはり僕も諸行無常には叶わないな…

 

さて、この小説をここで完了。やっと日本の歴史シリーズを再開できます…。