見せてもらおうか、ジュアッグの性能とやらを
レビューバージョン:1.02
ガンダムファンではあるが、ガンブレは別にそこまで好きではないんです。理由は初代では無機質な作業を何十回何百回をやらないといけない、しかも終盤やクリア後の難易度はマルチプレイ前題となってるから、面倒くさい以上に楽しかった思い出は特にない。初代ではセリフが殆ど無いから、ステージはどれも見敵必殺だけで、盛り上がらないし、なんか時間を浪費しているような感覚だった。
もっとも、メインテーマはガンダムのストーリーではなくガンプラですから、自分はあくまでガンダムの話が好きだけで、このゲームではパーツがガンダムのMS以外にほとんどガンダムの話をしてないから、それも理由だろう。 しかし残念なことでPS4は今でもなお、まともなガンダムゲームは何ひとつも出てきません。PS3時代でさえロンチでは「ターゲットインサイト」というものがあったが、PS4で次世代のモビルスーツ体験を楽しむゲームは何ひとつもなかった。確かに基本無料というゲームもあったけど、あれは色んな意味でもはや論外という。というと、このゲームはある意味、PS4で初めてのまともなガンダムゲームです。
機種別で初めてのガンダムゲームはたいていハズレだが、このタイトルは流石にシリーズ物である上に、3ですから、かなり遊べるレベルまで来ている。グラフィックは流石というより、演出が素晴らしい。このゲームは敵が割と多い分、爆発や攻撃エフェクトなどがとても派手で、それでもあまり処理落ちを感じない。それだけで「次世代ガンダムゲーム」としては合格であろう。グラフィックについても、機体の質感はちゃんと出している、背景のパーティクルなども非常的に鮮明で、ちゃんとPS4クォリティを達している。バンナムのガンダムゲーということも考えて、このクォリティはある意味期待をいい意味で裏切った。
2は遊んだことないから比較はできないが、3は一応「ストーリー」が用意された。そしてNPCや敵キャラクターなども。やはり戦闘中にセリフや物語、そしてイベントムービーが用意されるだけで、たとえ同じ内容でもテンションは全く違う。初めて覚醒するイベントのムービーを見た瞬間、あれは感動的だった。そして3章騎士ガンダム物語のラストを再現するステージは、このゲームのピークと思っても良い。
逆に4章では再び「このゲームはやはりガンブレ」だと思い知らせた。長い以上に無機質な作業が再び、台詞はあるが聞き飽きた名無し敵のつまらない悲鳴しかない。ここで再びこのゲームはガンブレというものを再認識する、そして評価は下がった。そもそもあの章は物語的では「修業」だが、前触れや説明が足りない分、「修業」イベントもない。ゆえにだるい以上に面白くない。あるいみプレイヤー側が「修業」しているかもしれないが。
そもそもミッションのバリエーションが圧倒的に足りないのが致命的。ステージはやはり見敵必殺だけで、敵がありえないぐらい硬い上にステージが長い(まるでバグを使う前題バランス)。コアアサルトもモノリスも、正直意味がわからない。ただ標的型敵が一つ増えるだけで、やることは通常ステージとまったく一緒。そもそもいつあれを攻撃できるかタイミング的に固定ですから(例えば必ず敵を全滅しないとあれを攻撃できないパターンが多い、それなら敵全滅だけでよかったなのでは?)、もはや水増しレベル以上ほどの意味不明。ガンプラ大会のステージはただ名無し敵をちょっと増やすだけで、正直他のステージと同じにしか見えないし盛り上がらない。ミサちゃんの台詞がなければ、今このステージは大会である事自体すら忘れてるかもしれない。せめて顔ありNPCをもっと増えてくれれば…
そう、彼女はあるいみこの無機質な作業の救世主であった。いつも「あっ私のパーツ」というなんかエロいに聞こえる台詞をうるさく連発するが、こういう無機質な作業だとむしろ彼女のおかげでテンションはある程度保った。ゆえに4章に彼女の声を聞こえないから、再び無機質な作業のダルさを思い知らされるだろう。まあ4章はそれ以上にイベント何ひとつもないのも致命的なんだけどね。そもそもツキミだっけ…?4章で仲間になった二人、なぜかイベント一切用意されてないか理解に苦しむ。新たなパートナーですから、たとえ短い時間だとしても、この二人の過去とか、あるいはアジア大会でのイベントなどを用意して欲しかった。タウンカップ、リージョンカップ、ジャパンカップ、どれも終盤ぐらいでは印象に残るイベントが有ったのに、なぜアジアツアーだけなにもないか?まるで砂漠で彷徨うような感覚で、製作者の意図を理解できない。
しかしながら、このゲーム最大の欠点といえばバランスである。ソロプレイでもマルチプレイ前題のバランスである。特にカジュアルという難易度は用意されても、敵の硬さは半端ない。別に敵はすごい強いではないが、とりあえず硬い。「バグを使ってやっとまともに戦えるバランス」ということは笑い事ではない事実である。バグ使わないと無駄な時間を浪費するだけで、そもそも手が死ぬ。3章以降は1ステージが30分かかるのは普通。しかもやってることは見敵必殺を繰り返すだけで、マップもずっと使い回し、だからダルい。なにより報酬がありえないぐらいしょぼい。30分かかってやっとクリアしたが、報酬はまさかショップ並んでるガンプラフルセット1個すら買えないほど。そして改造も合成もなんでもえらい金がかかる。流石におかしい。いらないパーツを売却しても、その管理が面倒くさいし何より売却金もしょぼい。バウンティやればいい、と言われるが、じゃミッションは何?ただの苦行?そもそもエースポイントはなんのためにあるか?必死に戦ってエースポイントがどれほどすごくても、GPは30000。マジでバグはあったほうがいいレベル、っていうか対策自体が改悪かもしれない。
そしてこんなおかしいバランスに、さらにチートのパーツがいくつがあった。スーパードラグーン、ジュアッグ腕、6連ミサイル。その圧倒的な強さは、使わない人は馬鹿と同義である。敵の硬さ、ステージの長さ、やることのつまらなさ、バランス調整のいい加減さ、そして報酬のしょぼさ、この辺はよほど致命的なバグである。
最大の魅力はカスタマイズで、このゲームはまあ良く出来ている。パーツの数は豊富で(まだ足りないかもしれないが)、そしてハクスラ要素もあって、かなり良い素材に見えるが…。以上の問題のせいですべてが台無しになった。
もっとも、数多く特殊なアビリティが用意されたが、アビリティの能力を確認する手段はない。ハクスラでは致命的である。
初代よりはいいかもしれないが、やはり自分はガンブレは好きではない。このゲームに楽しい、面白かった、という要素を一個も見つからない。硬い敵を30分以上かかって無機質な作業を繰り返すことは面白いか?ノーである。
THE GOOD
+グラフィックはいい、機体の質感、あとエフェクトの演出なども
+カスタマイズは割りと良かった
+ハクスラ要素結構ある
+騎士ガンダム物語など、一部のイベントは面白かった
THE BAD
-バランス(敵も報酬もステージの長さも全部ダメ)
-4章
-ミッションのバリエーションの無さ、マップの構成も単調で使い回しだらけ
-BB戦士は結局NPCであって直接コントロールできない
-パーツ管理は正直まだ改善する余地がある、特にいらないアイテムの管理は不便
-バランス調整をせず先にバグを削除
ゲーム内容:POOR システム:STANDARD グラフィック&演出:GREAT サウンド:STANDARD
STANDARD