かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN

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シリーズのファントムペイン

ステルスがメインのゲームは基本的に苦手なので、このシリーズをこれまで一度も手を出したことはありませんでした。ゆえに、このレビューでは経験者としてのレビューではなく、あくまでゲームの面白さを見るとのことで、最初から言っておきましょう。

なぜ今回だけ手を出したのは別として、ゲーム自体は個人的に予想以上に面白くて、かなり大満足でした。なぜこのシリーズは人気なのかなんとなく理解できる。このゲームは確かにコアなゲームで、難易度はそれなり高いステルスゲームだけど、初心者への救済と抜け道は多い。特に洋ゲーではまずない誰でも楽しめるチートアイテムまで用意されて、製作者はコアなステルスゲームを仕上げた同時に、ステルスが苦手な人を顧慮したと考えてもいいでしょう。実際ステルスでは不得意な自分でもクリアできるゲームなんですから、このゲームの調整は相当に力を入れたと見る。

様々な武器やアイテムを駆使して潜入、そして今作ではバディという仲間システムが導入される。同じ状況でも、違う武器やバディによっては打開策もかなり変わってる、そして攻略方法は一つだけではなく、その場で凌げるか逃げるか、突撃して皆殺しか相手を欺くか。潜入した快感を見事に再現した、敵を弄ぶのも悪く無い。ほかのステルスゲームでは一度発見されたらそれで厳しい局面だが、このゲームでは救済も多く、発見されてもまだまだやれることが多い。また、リフレックスモードのおかげで、たとえ発見されてもうまく対処できればどうにかなるので、潜入ゲームではあるが、ほかの潜入ゲームと違って、何もかも敵を怖がる必要もなく、能動的なステルスゲームと考えてもいいでしょう。

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正直ステルスゲームはずっと緊張状態のままで、この行動を取ると敵に見つかれるかもしれないと怖がるゲームで、自分はそういうことが嫌いだが、このゲームはよく遊ぶとそこまで気にしなくても良い、とりあえず潜入の楽しさを思う存分に楽しむということは、かなり気に入った。敵のしぐさや場所によって様々なギャグも、この緊張感を吹き飛ばす。ストレスを感じなく純粋に潜入を楽しむゲームとは、なかなかうまい調整であり、ゲームとしては素晴らしいとのこと。

また、ミッションやフリーモードでは敵の兵士を捕まえ、フルトン回収すると自分の基地(マザーベース)のスタッフとなるシステム、現実ではありえないけど、ゲームでは割と面白い。このシステムのせいで皆殺しだと基地は強くにならないから、結果として「敵を殺すと勿体無いからやはりできるだけステルスで行こう」という、マザーベースシステムだけではなくプレイヤーのゲームプレイにも影響する要素となり、製作者の発想はかなりうまいと見る。まあ現実よりも、あくまではステルスゲームを追求したからこそこういうシステムができるわけで、洋ゲーではなかなか味わわないんですね。

ただマザーベースは拡張してもやれることが少なく、運営と言われてもただスタッフ管理しかできないから、この辺は残念だった。マザーベースは広いがそれだけだった。せっかくの基地なのにただ睨むだけで終わるとは、正直勿体無い。

本作の売りの一つはオープンワールド。正直60fpsのオープンワールドはCSでは今でもなお珍しいから、この程度のグラフィックで60fpsのオープンワールドを楽しめるのも流石というべきです。ただ、このゲームではオープンワールドの良さをあまり生かしてない。まずオープンワールドといえばシームレスだが、ゲームの構造ではどうしてもヘリ(空中基地)に戻ることが多く、また自分の基地ではこの”オープンワールド”に居なく、別の場所である。結局としてオープンワールドではあるが、オープンワールドの魅力を感じませんし、結局一つミッションをクリアしたらそのまま空中基地に戻り、次の行動を取ることに。たしかにどこまでいけるが、ゲームの進行上でもプレイしてもそこまでする必要はないから、残念ながらオープンワールドの良さは生かしてない。また、この”オープンワールド”ではあくまで様々な場所に基地が設置されることで、他の場所は動物以外人影がなく、ただの無人の荒野。ランダムイベントも少なくミッションの遂行以外のやることも殆ど無い、オープンワールドだが実はものすごい広いフィールドと考えても良いでしょう。ミッション進行中では圏外の場所に逃げると強制失敗と言われ、登れない崖や壁がちまちま設置されており、広いけどヘリ以外の移動手段が少ない(つまりファーストトラベルが用意されない)、正直これらの要素を揃って、オープンワールドの必要性を感じない。様々な寄り道も楽しめるこそ、オープンワールドの良さの一つではないか?

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このゲームはよく未完成と言われるが、実際全体的にそうではあるが完成度が高い。少なくとも最初の第一章だけでも、お値段以上のボリュームで、想像以上の完成度と面白さでした。確かに第一章をクリアしたらその後は竜頭蛇尾だが、それでも個人的にボリュームは満点と思います。正直作品として、第一章だけでもちょうどいいボリュームであり、そこで終わるべきだ。イーライの脱走なども第二章の出来事なので、第二章以降の話はいっそ別のゲームに任せるほうがいいかもしれません(ただコナミの現状を見ると無理も無いか…)。結局、このような中途半端なエンディングで終わり、肝心なことだけが年表で話す内容。シリーズ最後作品で最大の汚点となり、実は残念です。悪に堕ちるとはいったが、正直主人公がどこがどこで悪に堕ちるか、悪いが理解しかねる。むしろヒューイが悪に堕ちるにしか見えないという内容でした。宣伝の問題かそれともシナリオの問題か、いずれにせよ主人公自体は余りしゃべれないから、感情移入しにくい、結局ただの操り人形としか考えない。ゲームとしてGOTYかもしれないが、、シナリオとしては間違いなくKOTYだろう。

他の不満点といえばコナミのサーバーですね。ロンチではトラブル続出で頻繁に落ちる。さらにオンラインモードにすると、iDroid(ゲームメニューなどの)の使用はなぜかサーバーに繋ぐ必要なので、極めて「重い」と感じる。ただマップを確認やマザーベースの確認だけでも、えらい時間待たされる。これはゲームとしてはやっちゃいけないことと思った。潜入ではストレスを感じないが、まさかメニューでストレスを感じるという滑稽。実は笑えないんですね。

MGS過去作はやったこと無い以上、シナリオに対する批判は正直ここまでとしか言えません。そもそもオセロットやカズとかも、ゲーム雑誌の紹介でしか認識がない。ただ、主人公は結局最初から最後までも影が薄い、聞いた話とはかなり違う印象であった。そもそもよく聞いた「待たせたな」、「こちらスネーク」とかは今回では残念ながら拝見できません。正直ゲームの出来は本当によく、ステルスが苦手の自分でもハマったほどの面白さでしたが、まさかシナリオでコケるとは残念としか言いようが無い。結局、買いなのかと言われたら、まあ買いですね、ただしシナリオは期待しないでほしい。そもそもこれほどクォリティも完成度も高い和ゲーは、今では本当に絶滅危惧種ですから。少なくとも、シナリオの欠点は、潜入を楽しむ支障にはなりません。そこだけは保証しよう。

 

THE GOOD

+潜入の楽しさを最大限に、ここまでハマるステルスゲームはなかなか珍しい

+ゲームとしては完成度が高く、ボリュームもシナリオを除外すれば実に満点

+多彩な攻略方法で、目的達成に正解は一つだけではない

+調整がわりとうまい

+このグラフィックで60fpsのオープンワールドは正直素晴らしい言える

 

THE BAD

-やはりシナリオでしょう、そもそも主人公は感情移入しくい

-オープンワールドではあるが、オープンワールドを良さを生かしてない

-潜入よりも、超能力バトルは正直アレだった

-普通に攻略するとクワイエットが予兆なく強制で永久離脱する

-コナミのサーバー

ゲーム内容:GREAT システム:EXCELLENT グラフィック&演出:EXCELLENT サウンド:GREAT

EXCELLENT