かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

The Order: 1886

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The Movie: 1886

PS4の独占タイトルとして、『The Order: 1886』は見事にPS4の性能を活用し、これまでにもなかった、ほぼ実写にしか見えないグラフィックを、据え置きハードで再現できました。キャラクターのモデリング、世界観、光源、テスクチャなどは全て、PS4だからこそ再現できるレベルで、本当の意味で、このゲームをプレイすると、やっと次世代の到来は実感したと感嘆してしまう。ゲーム全編のグラフィックは実写映画に見えるもので、今までのゲームのグラフィックを超えてる。

だが、残念だがこのゲームはグラフィックで終わってしまい、ゲームとしては中途半端の出来で、やって楽しいかというと、答えはノーである。

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オフラインのTPSとして、本編のボリュームは7時間ほど。ゲームはほぼ寄り道がないので、基本的に誰だろうと7~8時間ぐらいではこのゲームの「全部」を体験し、そして終わった。オンラインのマルチ対戦は用意されてない、もう一回やっても展開は変わらない、やることは変わらない。もちろん、シューターのキャンペーンは数時間で終わるのは普通だが、『The Order: 1886』は限られたプレイ時間の中に、様々なイベントシーンや歩く観光プレイが多数用意され、遊ぶよりも、ただイベントを見る時間が多すぎだ。確かにグラフィックは凄くて、没入感は半端ないけど、気付いたらぼくはコントローラを握るだけでテレビを見ている、ゲームをプレイしているよりも、ゲームを見ているほうが正しい。何より2章や6章などでは、ただイベントを流すだけで終わるという、プレイヤーに非常的に親切な内容である。何をしなくてもいい、ちょっと歩くだけで、これでこの章はクリアです。思えば『アンチャーテッド』最初では「プレイする映画」を目指したものだが、ゲームプレイでも評価できるもので、非常的に楽しい作品である、が、この『The Order: 1886』は、ただただ物足りない、そしていつの間にか終わった。実際TPSを楽しめるのはごく一部の章だけで、ほかは本当の意味で、「映画」であった。

シナリオが良ければ、『ヘビーレイン』などのアドベンチャーとして評価するものいいけど、そうでもなかった。主人公が組織の「闇」を発見し、そして組織を離脱して「闇」を解決する、驚くことはない展開である。何より、ゲームのラスボスは真犯人ではなく、「俺たちの戦いはこれからだ」エンドで終わってしまい、ボリュームすでに駄目なのに、シナリオまでここまで酷いとは初めて見た。開発はまさかグラフィックだけ専念し、グラフィックさえ良ければほかはどうでもいいと思ったのか。まるで「ハイレベルCGと綺麗なエフェクトさえあれば良い映画だ」という発想ですよ?

それだけではない、序盤からすでにQTE連発、そして所々連打、ボタンを押せ!というつまらないゲームプレイが多数用意された。開発は「ゴッド・オブ・ウォー」を開発した経験があったのに、なぜこのようなQTEはただただ邪魔、ただただつまらないとわからないのか。ただQTEのためのQTEは、ゲームシステムとしては最悪であり、うんざりである。それが、PSP版GOWシリーズを開発したReady At Dawnが犯したとは、ただただ遺憾である。

シューター部分では、割に変わった銃が用意されたが、それはすごい面白いと言うレベルでもない。いいえ、悪くないが素晴らしいという感想もない。うん、良くも悪くもTPSです、それだけです。ただ「映画」を追求し黒帯を付けたせいで、視界が割に狭く、そこはかなり不快である。

グラフィックは確かにPS4世代だが、ゲームはPS2世代。グラフィック以外何一つ次世代っぽいものがありません。ゲームとしては予想通りの、極普通のTPSである。何よりイベントシーンの多さと大半のプレイは歩くとQTEだけというのは、致命的である。本作はあくまでPS4のベンチマークタイトルとして考えてもいいでしょう。ただ、PS4発売1年後にベンチマークタイトル、それは意味があるか?

 

THE GOOD

+グラフィック。もはや絶句というレベル、ゲームはここまで来たのか

+堅実な世界観

 

THE BAD

-QTE

-ボリューム、短い以上にリプレイ価値がない

-消化不良、「俺たちの戦いはこれからだ」シナリオ

-イベントシーンと歩くプレイが多すぎる

 

ゲーム内容:POOR システム:STANDARD グラフィック&演出:EXCELLENT サウンド:GREAT

STANDARD

The Order: 1886

The Order: 1886