かりんちゃんの随心遊戯日誌

ゲームの日記、たまに政治の話、香港の話

バリアント ハート ザ グレイト ウォー

f:id:karinchan:20140802220703j:plain

心が動く物語

CoD、BF、戦争をテーマにしたゲームはたくさんありますが、このゲームは目の前の敵を殲滅し、与えられたミッションを達成し、敵を出来る限りヘッドショットするゲームではなく、むしろ戦争の悲しさを最大限に再現し、そこにいる「人」、「戦争」と「愛」を描写するアドベンチャー。

このゲームで、改めて戦争の醜悪を再認識した。この第一次世界大戦を舞台にした横スクロールアドベンチャーゲームでは、英雄がいない、関係ない人々まで無差別な虐殺、兵士の命はゴミのようで潰され、権力者は勝利だけのためにどんなひどいことでもするなど、戦争のあらゆる醜さを体験できる。数名の主人公はこの冷酷な時代で、ただただ家族と再会するために、ただただ友人のために、様々な困難を立ち向かう。4年間の戦争では、人を狂わせ、そして大切なことまで失った。そんな話。

アドベンチャーゲームでは対話がほぼなく、状況はナレーションが解説することだけだが、ちゃんと戦争の”本当の姿”をプレイヤーたちに見せ、そして人間の命、友情と愛情はどれほど大事なのかゲームから体験できた作品です。このゲームのテーマを考えると、アドベンチャー方面では成功と思います。

f:id:karinchan:20140731204235j:plain

『チャイルドオブライト』でもそうであったが、この UbiArt Framework エンジンは見事に雰囲気を再現できて、絵のようなグラフィックで、特に違和感なく、ゲームに没入することが素晴らしいことと思います。横スクロールの2Dゲームだから言って手抜きなどが一切なく、クォリティが非常的に高い。キャラの動きや表情、そして背景などはよく動いている。戦争などの臨場感と緊張感、そして非情さを見事に再現した。さらに音楽に合わせて、一つ感動な物語がこれで出来ました。

アクションアドベンチャーだが、アクションよりもパズルがメインなので、一部の仕掛け以外はゆっくりに攻略することが出来ます。難しいパズルは殆ど無いし、ヒントも用意される。まあ、このゲームは思った以上にボリュームがあるから、終盤のパズルはなんだか飽きてると感じても仕方ないが、全体的に良く出来ました。中でもタクシーなどの運転ミジカルミニゲームなど、なかなか素晴らしいものです。最後の掘りはちょっと操作が悪いんだけど。(そこだけはイライラした、まああそこだけなんだけど)

f:id:karinchan:20140731212410j:plain

よく考えると、世界大戦のゲームを2D横スクロールで表現することはなかなか不思議でしたね。もちろん2Dによる制限はあるけど、ここまで表現できるとはなかなかの職人技と思います。ゲーム自体のボリュームはダウンロードゲームとしてはそこそこ多く、雰囲気がよく、話は切ない、史料も充実している。パズルは長くやるとちょっと単調さは否定できないが、色々な遊びが用意されてる。1500円のゲームとしてはお値段以上です。

f:id:karinchan:20140802203458j:plain

久しぶりに、心が動いた話に出会いました。権力者の欲望の下では、命はもはや価値がないというもの、しかしそれでもその命を守ろうとする人がいる。その命を大切にする人がいる。

戦争はかっこいい?このゲームをやって、もう一度考えてみるといい。

 

THE GOOD

+シンプルのゲームであらゆることを表現できた

+2Dだがイラストのようなグラフィックで、雰囲気や臨場感をよく再現している

+話は切ない、温かい、そして人間愛などのテーマをよく表現した

+パズルのバランスは難しすぎではなく、ヒントなども用意され結構親切

+史料が充実で、ゲームを遊んで歴史を勉強できる

+音楽が良い、雰囲気に合ってる


THE BAD

-一部の操作がちょっといらいらするかも

-話がそれなり長いゆえ、終盤はちょっと新鮮感がない

-何度も遊びたくなる内容ではない

-◯と×が北米仕様

ゲーム内容:26/30 システム:25/30 グラフィック&演出:17/20 サウンド:8/10 ボーナス:5/10

81/100